1998 Fiscal Year Annual Research Report
面性キラリティーによって構築される光学活性ポリマーの研究
Project/Area Number |
10126205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 雅彦 東北大学, 薬学部, 教授 (30158117)
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Keywords | ナノ有機分子 / 光学活性 / 大環状構造 / ビルディングブロック合成法 / cycloamide / LB膜 / cycloalkyne / Sonogashiraカップリング反応 |
Research Abstract |
分子量数千から数十万の有機分子である合成高分子と生体高分子が,高度な機能を発現することはよく知られており,高分子化学や生物化学で,研究が精力的に行われている.さて,合成化学的に得られる低分子有機化合物がオングストロームサイズであるのに対して,巨大合成有機分子はナノ有機分子と呼ぶことができる.我々は,現代有機化学の手法でナノ有機分子を取り扱ってみることに興味をもった.有機化学と高分子化学や生物化学の間の新しい領域が展開できるとともに,新しい機能性材料や生理活性物質の開発も期待される.本研究は光学活性ヘリセンで構成される大環状構造のナノ有機分子の合成と機能に関するものである. ヘリセン部を含有する大きな分子の合成のためのビルディングブロック合成法を完成した.この方法で[1+1]cycloamideから[10+10]cycloamideを比較的まとまった量で合成できることになった.また,[1+1]cycloamideのLB膜形成について,分子構造との関係を調べ,環状構造が必須であることを確かめた.一方,ヘリセン部をアセチレン結合で連結したcycloalkyne類に関して,[3+3]cycloalkyne,[4+4]cycloalkyne,[5+5]cycloalkyne,および[6+6]cycloalkyneの合成法を確立した.このうち,[3+3]cycloalkyneは有機溶媒中で自己会合することがわかった.併せて,より大きな環状アセチレン類の合成のために,高速Sonogashiraカップリング反応を開発した.この方法によって,芳香族ヨウ化物と芳香族アセチレンを-20℃で1時間以内に定量的にカップリングできることを示した.
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[Publications] K.Nakamura,H.Okubo,and M.Yamaguchi: "Low Temperature Sonogashira Coupling Reaction" Synlett. in press.
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[Publications] H.Okubo,M.Yamaguchi,and C.Kabuto: "Macrocyclic Amides Consisting of Helical Chiral 1,12-Dimethylbenzo[c]phenanthrene-5,8-dicarboxylate" J.Org.Chem.63. 9500-9509 (1998)
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[Publications] F.Feng,T.Miyashita,H.Okubo,and M.Yamaguchi: "Spreading Behavior of Optically Active Macrocycloamides Consisting of Helical Chiral Units as Air-Water Interface and the Formation of Langmuir-Bloodgett Films" J.Am.Chem.Soc.120. 10166-10170 (1998)
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[Publications] K.Kano,M.Yamaguchi,and M.Hirama,et al: "Recognition of Helicity by cyclodextrins through Hydrogen-Bonding Interaction in Water" Chem.Lett.1998. 151-152 (1998)