1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10127202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 文章 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (80176924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
叶 深 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40250419)
魚崎 浩平 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20133697)
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Keywords | 自己組織化単分子層 / 半導体超微粒子 / 逆ミセル法 / 積層構造 / 硫化カドミウム / 硫化亜鉛 / 光誘起電子移動 / 走査トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
粒径が数ナノメートル程度の半導体超微粒子は、サイズを選ぶことによって量子箱としての性質を示すことから注目を集めている。しかし、これまでの研究では、超微粒子の物性や機能はコロイドあるいは粉末沈殿の状態において検討されており、配列などを制御した条件下で行った例はほとんどない。われわれは、これまでに機能性有機化合物分子を自己組織化法により固体表面に規則正しく、かつ高い配向性をもって配列・固定化する手法を確立し、種々の機能性表面の構築と構造・物性に関する研究を行ってきた。また、金属や半導体などの無機化合物結晶電極の表面を、走査プローブ顕微鏡(SPM)によって原子レベルの精度で解析する手法を開拓してきた。そこで、本研究では、固体表面に自己組織化法により有機分子を規則正しく配列させ、これに半導体超微粒子を結合させて超微粒子の2次元配列を構築するという新規手法を用いて半導体超微粒子層を作製するとともに、その構造や物性をSPMにより精密に評価することを目的として検討を行った。 金電極表面にアルカンジチオールの自己組織化単分子層を形成させ、別にAOT(エーロゾルOT=界面活性剤)を用いる逆ミセル中で調製した硫化カドミウムあるいは硫化亜鉛の超微粒子を自己組織化膜のチオール基を介して固定させた。さらに、硫化カドミウム超微粒子の表面のAOTをアルカンジチオールで置換し、硫化カドミウムゾルと接触させることにより、多層膜を作製することに成功し、その膜が期待どおりの構造と光電気化学特性を有することを種々の物理化学的手法を用いて明らかにした。さらに、走査トンネル顕微鏡を用いて、ひとつひとつの粒子の電子構造を調べた結果、予想とおリバルクのものより広がったバンドギャップを持つことを明らかにした。
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[Publications] T.Nakanishi: "Fabrication and Characterization of CdS Nanoparticle Mono- and Multilayers on a Self-Assembled Monolayer of Alkanedithiols on Gold" J.Phys.Chem.B.102. 1571-1577 (1998)
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[Publications] T.Nakanishi: "Effect of Immobilized Electron Relay on an Interfacial Photoinduced Electron Transfer at Layered Inorganic-Organic Composite Film on Gold" J.Electroanal.Chem.455. 229-234 (1998)