1998 Fiscal Year Annual Research Report
巨大地震動を受けた礫を含む砂質土地盤の液状化および側方流動特性に関する研究
Project/Area Number |
10128231
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
永瀬 英生 九州工業大学, 工学部, 助教授 (80180488)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣岡 明彦 九州工業大学, 工学部, 助教授 (70238400)
|
Keywords | 液状化 / 側方流動 / 砂礫 / 地震 / 不規則波 / 載荷周波数 |
Research Abstract |
本研究は、阪神・淡路大震災で新たに提起された問題の中で、液状化強度の定義、砂礫の液状化特性とその流動特性に着目し、巨大地震動を受けた礫を含む砂質土地盤の地震時挙動を明らかにしようとするものである。このため、それらに関する文献調査を行うとともに、油圧式載荷装置を作製し、高周波数での繰返し試験を実施可能にした。本研究で得られた知見は以下のとおりである。 (1) 液状化強度は、一般に繰返し回数が20回での繰返し応力比で定義されているが、その回数の実質的意味は明らかでなくなっているのが現状であり、これに関する検討が今後必要である。 (2) 礫を含む砂質土の液状化は、礫周辺の砂質土の透水係数が低いか、または上層に透水係数の低い層がある場合、十分発生する可能性がある。繰返し三軸試験による砂礫の液状化強度は、礫粒子から離れた部分の砂質土の密度に大きく影響を受ける。また、礫分含有率が高いことや堆積時に洪水による大きなエネルギーを受けたこと等によって、砂礫の液状化強度が非常に大きくなることがある。 (3) 液状化強度に与える載荷周波数の影響について繰返し三軸試験を行い検討した。その結果、液状化強度は、載荷周波数が1Hzまではその影響をほとんど受けないが、1Hzを越えると載荷周波数が大きくなるに従い増加した。このような挙動は、細粒分を含み塑性が高くなるほど著しいが、きれいな砂でも明らかに認められた。この結果を踏まえ、現在地震波を用いて不規則荷重を受けた砂質土の液状化特性について検討している。
|