1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10131254
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
米村 弘明 九州大学, 工学部, 講師 (40220769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 淳 九州大学, 工学部, 教授 (30136551)
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Keywords | 光電流 / 修飾電極 / 磁場効果 / 電極電位 / ポルフィリン / ビオローゲン / フラーレン / 3重項ラジカル対 |
Research Abstract |
本研究でポルフィリン(P)-ビオローゲン(V)対修飾電極における光電流に対する磁場効果に及ぼす電極電位の影響を詳細に検討した。さらに、フラーレン(C_<60>)-フェノチアジン(PH)連結化合物を電極に固定し、光電変換機能に対する磁場の影響の増大を図るための準備実験として、溶液中での逆電子移動反応に対する磁場の影響を行った。 具体的には以下の研究を行った。 1. P-V連結化合物をLB法によりV側から一層固定した修飾電極を作成した。犠牲試薬としてトリエタノールアミンを加えて、このP-V対修飾電極の光電流に対する磁場効果に及ぼす電極電位の影響を検討した。修飾電極に光照射すると、アノード方向の安定な光電流が観測できた。修飾電極に磁場印加(0.5T)すると光電流の増加が観測できた。電極電位を正側にシフトすると磁場による増加率が徐々に減少した。以上より、P-V対修飾電極における光電流の反応機構を明らかにすると共に、光電流の大きさを磁場と電極電位を併用して制御できる事がわかった。 2. C_<60>-PH連結化合物の過渡吸収スペクトルを測定した。ベンゼン溶液では700nm付近を極大とするブロードな吸収(C_<60>の励起3重項(^3C_<60>^*))が観測された。PHから^3C_<60>^*への分子内電子移動は起こってないことがわかった。次に、ベンゾニトリル溶液では700nm付近の吸収は消失し、520nmを吸収極大(PHのカチオンラジカル)とする吸収が観測された。さらに、ベンゼン溶液での吸収には磁場の影響が得られなかったのに対して、ベンゾニトリル溶液では520nmにおける吸収の減衰速度は磁場を加えると遅くなった。以上より、ベンゾニトリル溶液ではPHから^3C_<60>^*への分子内電子移動が確実に起こり、かつ生成した3重項ラジカル対の減衰速度に対して磁場効果が得られる事もわかった。現在、C_<60>-PH連結化合物を電極に固定し、光電流に対する磁場効果の研究に取り組んでいる。
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[Publications] Hiroaki Yonemura: "“Effect of π-System on Long-Range Photoinduced Electron Transfer in Through-Ring α-Cyclodextrin Complexes of Carbazole-Viologen Linked Compounds"" Tetrahedron Letters. Vol.39. 6915-6918 (1998)
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[Publications] Keiji Yamada: "“Second Harmonic Generation Measurements of Azobenzene Desorption and Photochemistry at the Interface between an Alkane Solyent and a Glass Plate Modified with a Pyridinium"" Journal of Photochemistry and Photobiology A:Chemistry. Vol.114,. 163-166 (1998)
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[Publications] 米村弘明: "“超分子構造と磁場による光誘起電子移動反応の制御"" 光化学. Vol.29. 20-25 (1998)