1998 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型共有結合生成反応-超臨界流体およびKを溶媒とする新規反応場の開発
Project/Area Number |
10132202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
徳田 昌生 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80001296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 憲司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00216714)
仙北 久典 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50241360)
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Keywords | 超臨界流体 / 超臨界二酸化炭素 / 二酸化炭素の固定化 / 電解合成 / 電解カルボキシル化 / カルボン酸 / イブプロフェン / ナプロキセン |
Research Abstract |
1.超臨界二酸化炭素中での電解カルボキシル化 白金陰極、マグネシウム陽極を取り付けた高圧反応容器に支持電解質としてBu_4NBF_4、共溶媒として少量のアセトニトリル(10ml:155mlの反応容器に対して6vol%)を加え、二酸化炭素の臨界点以上の反応条件(40℃,80Kg/cm^2)で電解することによって、電解力ルボキシル化が可能となることを見出した。超臨界二酸化炭素中での電解によるカルボン酸の合成は本研究が世界で最初の例である。 さまざまな置換ハロゲン化アリールを電解すると相当するアレーンカルボン酸が高収率で得られた。例えば、1-および2-クロロナフタレンからナフタレン手およびナフタレン-2-カルボン酸をそれぞれ92%および83%の収率で得ることができた。また、ハロゲン化ベンジル類を同様な条件下電解することによって置換フェニル酢酸を高収率で合成することができた。現在、さらにさまざまな基質を用いて電解カルボキシル化を検討している。 2.超臨界二酸化炭素を用いる抗炎症剤の合成 1-クロロ-1-(4-イソブチルフェニル)エタンおよび1-クロロ-(6-メトキシナフチル)エタンを超臨界二酸化炭素中上記の条件で電解することによって、抗炎症剤であるイブプロフェンおよびナプロキセンをそれぞれ79%および74%の収率で合成することに成功した。 3.電子移動反応における超臨界流体の特性に関する研究 超臨界エタン中ビフェニルアニオンからピレンへの電子移動反応をパルスラジオリシスを用いて検討し、溶媒の再配向エネルギーの圧力依存性を明らかにした。すなわち、臨界圧近傍では再配向エネルギーがかなり増大することを見出した。
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[Publications] H.Kamekawa: "New Electrochemical Carboxylation of Vinyl Triflates.Synthesis of β-Keto Carboxylic Acids" Tetrahedron Letters. 39. 1591-1594 (1998)
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[Publications] 仙北 久典: "超臨界CO_2流体を利用した電解合成プロセス" 化学装置. 41・2. 55-59 (1999)
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[Publications] K.Takahashi: "Solvent Reorganization Energies Measured by on Electron Transfer Reaction in Supercritical Ethane" J.Supercritical Fluids. 13. 155-161 (1998)
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[Publications] K.Takahashi: "Effects of Temperature and Pressure on Deacetylation of Chitin in Subcritical Water" Reports on Progress in Polymer Physics in Japan. 41. 581-584 (1998)
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[Publications] S.Torii(Ed.): "“Novel Trends in Electroorganic Synthesis" (分担) 「Electrochemical Carboxylation of Several Organic Halidesin Supercritical Carbon Dioxide」" Springer- Velag, 461 (1998)