1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10132258
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高田 十志和 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40179445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 三郎 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (40081343)
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Keywords | 面性キラリティ / アリル鉄錯体 / アザアリル配位子 / 求核置換反応 / 不斉合成 |
Research Abstract |
1 面性キラルな(n^3-アリル)鉄錯体の合成と反応 テトラブチルアンモニウムトリカルボニルニトロシル鉄酸塩と光学活性なアリルトシレートとの反応で面性キラルな(n^3-アリル)ジカルボニルニトロシル鉄錯体を立体選択的に高.効率で合成した.この(n^3-アリル)鉄錯体は,光学活性なトシレートの立体配置とは反転した立体配置をもち,光学純度の高い面性キラルな鉄錯体である.したがって,錯体化の反応はSn2反応である.しかし,n^3-アリル配位子に嵩高い置換基が導入されると,その置換基と鉄酸塩との立体反発によりSn2反応が抑制され,かわって3中心酸化的付加機構で反応は進行し,立体保持の鉄錯体が生成することが明らかになった.合成した面性キラルな(n^3-アリル)ジカルボニルニトロシル鉄錯体とカルボアニオンやアミン等の求核剤との反応では,求核剤は鉄原子と反対側からn^3-アリル配位子を攻撃し,立体選択的にアリル化合物が生成することを明らかにした. 2 (n^3-アザアリル)鉄錯体の合成と反応 テトラブチルアンモニウムトリカルボニルニトロシル鉄酸塩とα-ブロモイミンとの反応で(n^3-アザアリル)ジカルボニルニトロシル鉄錯体を得た.この錯体は炭素同族体に比べ不安定で容易に分解するため,その単離収率は〜10%であった.しかし,そのIRおよびNMRからアザアリル基はπ型でフレキシブルな配位をしていることが分かった.
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[Publications] Nakanishi Saburo: "Amination of(η^3-Allyl)dicarbonylnitrosyliron Complexes:A Route to γ-Amino-α,β-unsaturated Carboxylic Acid Derivatives." Synthesis. 12号. 1735-1741 (1998)
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[Publications] Yamaguchi Hiroshi: "Synthesis of Planar Chiral(η^3-Allyl)dicarbonylnitrosyliron Complexes and Stereochemistry of the Complex Forming Reaction" J.Organomet.Chem.554巻. 167-170 (1998)
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[Publications] Nakanishi Saburo: "Recent advances in the Chemistry of η^3-allyldicarbonylnitrosyliron Complexes" Recent Res.Develop.Org.Chem.1巻. 93-108 (1998)