1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10133203
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 保 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (30163273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 隆一郎 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (30281851)
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Keywords | ジルコノセン / エチレン錯体 / 第14族元素化合物 / 炭素-スズ結合切断 / スズ-ジルコニウム結合 / スズ-ゲルマニウム交換 / X線結晶構造解析 / アルキンの挿入反応 |
Research Abstract |
第14族元素ハロゲン化物もしくはスタノキサン類、すなわち様々なクロロシラン、クロロゲルマン、クロロスタナン類ならびにアルコキシスタナン類はビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム・エチレン錯体と速やかに反応し、ベータ位に第14族元素をもちエチレンがシグマ架橋した興味深いジルコノセン錯体が収率よく生成することがわかった。その中でトリフエニルシリルクロライトとの反応で生じる生成物を重水で加水分解すると(2-デューテロエチル)トリフェニルシランが収率82%、D化率93%で得られた。また、この一連の反応によって生成する第14族元素をベータ位にもつジルコニウム錯体のプロトン、炭素ならびにスズNMRスペクトルを詳細にわたって検討した。 これら錯体の反応を種々検討した結果、いくつかの興味深い反応を見いだすことができた。ジルコノセン・エチレン錯体とトリブチルスズクロライドとの反応で生成するクロロビス(シクロペンタジエニル)(2-トリブチルスタニルエチル)ジルコニウム錯体は、トリフェニルゲルマニウムクロライドとの反応で、スズ部位とゲルマニウム部位が交換した錯体である(2-ゲルミルエチル)ジルコニウム錯体を高収率で与えた。また、ジルコノセン・エチレン錯体とトリフェニルスズクロライドとの反応で生成するクロロビス(シクロペンタジエニル)(2-トリフェニルスタニルエチル)ジルコニウム錯体のTHF溶液を、エーテルもしくはヘキサンを加えて静置したところ、炭素-スズ結合が切断されスズがジルコニウムと結合し、かつエチレンがサイドオンでミュー2-配位した複核錯体であるビス(トリフェニルスタニルジルコニウム)エチレン錯体の結晶を与え、この錯体の構造をエックス線結晶構造解析により決定した。
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