1998 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒によるホウ素-ケイ素結合活性化を鍵とする新合成反応
Project/Area Number |
10133226
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉野目 道紀 京都大学, 工学研究科, 助手 (60252483)
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Keywords | シリルボラン / 炭素-炭素結合形成 / ニッケル / パラジウム / 白金 |
Research Abstract |
本特定領域研究においては、シリルボランのケイ素ーホウ素結合の遷移金属触媒による活性化を鍵として進行する、新しい触媒的炭素ー炭素結合形成反応の開発を行なった。 1. ニッケル触媒によるアルキンの位置選択的二量化シリルホウ素化反応 ニッケル2価塩と還元剤から調製した0価ニッケル種を触媒として用いアセチレンとシリルボランとの反応を行なったところ、シリルホウ素化を伴ったアルキンの二量化が進行し、1-シリル-4-ボリル-1,3-ジエン生成物が良好な収率で得られた。興味深いことに、末端アルキンを用いた場合この二量化は位置選択的に進行し、生成可能な4つの位置異性体のうちホウ素がアセチレンの末端炭素に付加した2つの異性体のみを3:1の比で与えた。内部アセチレンを用いた場合、シリルホウ素化二量化反応は末端アセチレンの場合よりも高収率で進行した。 2. 白金触媒によるアルデヒドと1,3-ジエンの立体選択的シリルホウ素化カップリング反応2,3-ジメチル-1,3-ブタジエンとシリルボランとの反応を白金触媒存在下、ベンズアルデヒドを共存させて行なったところ、シリルホウ素化を伴ったジエンとアルデヒドの立体選択的カップリング反応が進行し、3-ボリルメチル-2,3-ジメチル4-シロキシ-4-フェニルブテンが良好な収率で得られた。この反応は1,3-ブタジエンや1,2-ジメチレンシクロヘキサンを用いた場合にも同様に進行し、対応する生成物を立体選択的に与えた。
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Research Products
(1 results)