1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10134204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
正田 晋一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10143364)
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Keywords | 多糖 / セルロース / 糖加水分解酵素 / フッ化グリコシル / 糖オキサゾリン / 不可逆的グリコシド化 / グリコシル化 / キチン |
Research Abstract |
多糖・オリゴ糖の効率的な合成手段として,酸素を用いるグリコシル化反応が注目されている。本研究の目的は,不可逆的に進行する糖加水分解酵素を触媒とするグリコシル化反応を開発することである。 1.フッ化グリコシルを糖供与体とする酵素的重縮合反応 非還元末端にグルコースを,還元末端にキシロースを有する二糖フッ化物のキシラナーゼによる重縮合反応が,加水分解に優先して進行し,セルロース・キシランハイブリッド多糖が位置および立体選択的に生成することを明らかにした。また,フッ化糖の酵素的重縮合反応をさまざまなアミノ糖モノマーに適用することができた。例えば,N-フタロイルグルコサミンユニットとグルコースユニットを有するモノマーを緩衝液中,セルラーゼで処理すると,これら両ユニットを交互に有するセルロース-キチンハイブリッド型のオリゴ糖が定量的に得られた。 2.糖オキサゾリンを供与体とする酵素的付加反応 N-アセチルラクトサミンオキサゾリン誘導体にメチルN-アセチルグルコサミニドをキチナーゼ存在下,作用させると,酵素的不可反応により対応する三糖が得られた。この反応はキチナーゼの至適pHよりもはるかにアルカリ性側で進行し,生成三糖はキチナーゼによる加水分解を受けない。以上,糖水解酵素を用いて完全に不可逆的なグリコシル化反応を初めて実現することができた。本研究で開発した反応は従来の糖水解酵素を用いるグリコシル化のスコープを広げるものである。
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[Publications] M.Fujita: "Xylanase-Catalyzed Synthesis of a Novel Polysaccharide Having a Glucose-Xylose Repeating Unit,a Cellulose-Xylan Hybrid Polymer" J.Am.Chem.Soc.120. 6411-6412 (1998)
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[Publications] T.Kiyosada: "Enzymutic Ring-Opening Polymerization for Chitin Synthesis:A Cationic Mechanism in Basic Solution?" Macromol.Symp.132. 415-420 (1998)
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[Publications] S.Shoda: "Enzymatic Synthesis of Non-natural Poly-and Oligesaccharides" Macromol Symp.印刷中.