1998 Fiscal Year Annual Research Report
高速拡散系における相変態の走査型トンネル顕微鏡及びトンネルスペクトルによる研究
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10136243
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小川 恵一 横浜市立大学, 総合理学研究科, 教授 (00233411)
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Keywords | Si(111)7×7構造 / Ni / Si(111)7×7表面再構成相 / √19×√19Ni / Si(111) / √19×√19相の核形成 / √19×√19相の双晶 |
Research Abstract |
Si(111)表面は830℃以下で1X1構造から表面再構成構造7X7(単位胞あたり〜百数十個もの表面近傍原子が関与する)へ相転移をする。この7X7構造の表面上を拡散するNi原子の挙動の解明が研究目的である。 観察手段は走査型トンネル顕微鏡である(STM)。Si-Niの状態図によるとSi側に固溶度は存在しない。また、Si中のNi原子は高速拡散することが知られている。 実験方法の詳細は次の通りである。Si単結晶試料の大きさは7X1X0.3mm^3で、7X1mm^2の面がSTM観察面(111)である。粒径が4-7μmのNi粒子をSi(111)表面上にほんのわずかパラパラとまき、STMチャンバー内でその場熱処理を行った。 熱処理は1)630℃、15-19hと2)フラッシングと呼ばれる1250℃、数秒を数回繰り返す、2段階で行った。期待通りNi微粒子からNi原子がSi(111)表面上を拡散し、遠く離れたところではSi(111)表面が観察された。 Ni原子の被覆率が下がるにしたがって、√19X√19、IXl-RC(Ring Cluster)、7X7構造が観察された。表面再構成相√19X√19については核形成から成長にわたって詳しいSTM観察に成功した。また、√19X√19には双晶関係にあるドメインがしばしば観察された。√19X√19相はSi(111)面のテラス上で均一核形成することが分かった。
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