1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10137207
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宝田 恭之 群馬大学, 工学部, 教授 (70154929)
|
Keywords | ダイヤモンド / セラミックス / 気相合成 / 薄膜 / 酸化 |
Research Abstract |
高機能ダイヤモンド薄膜の開発を目的として、セラミックス膜を耐酸化保護膜として活用したダイヤモンド/セラミックスのハイブリッド薄膜の合成を検討した。すなわち、我々が既に開発した流動層前処理法を利用することにより結晶性の高いダイヤモンド膜をシリコンウエハー上に合成し、更にダイヤモンド表面上にSiC膜等のセラミックスを積層させた。各種の試料を600〜1000℃の温度範囲で空気による酸化実験を行った。ダイヤモンド/セラミックスのハイブリッド膜の耐酸化消耗性はセラミックス膜の種類に強く影響された。0.3μmおよび0.6μmの膜厚のSiC膜およびSiCN膜を積層したハイブリッド膜を800℃の熱天秤内で酸化したところ、0.6μmのSiC膜を積層した場合、10minの酸化では試料表面に変化は全く認められなかった。しかも100min程度までは重量がほとんど減少しないことから、耐酸化性能が顕著に向上したものと判断できた。しかしながら、SiC膜の場合、100min後から徐々に重量の減少が認められ、酸化時間300minではいずれの膜厚の試料も表面保護膜の破壊が観察された。XRD分析からダイヤモンドの存在は認められず、300minの酸化によりダイヤモンドが消失することが分かった。SiCN膜を積層した場合、800℃、300minの酸化後でも表面保護膜は破壊されずに残存していることが分かった。この試料のXRDパターンにはダイヤモンドに相当する回折ピークが顕著に認められ、SiCN膜が耐酸化消耗に対しきわめて有効であることが分かった。SiCN膜の弾性率(E/(1-ν);3.2×10^<12>dyn/cm^2)がSiC膜のそれ(4.0×10^<12>dyn/cm^2)に比べて小さいことが、破壊に至らなかった原因の一つと考えられる。
|
Research Products
(1 results)