1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10137213
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 康二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10107443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目良 裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40219960)
伴野 達也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70189736)
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Keywords | カーボン / 電子励起 / 走査トンネル顕微鏡 / 内殻電子 / sp混成 / フラーレン / グラファイト / 原子操作 |
Research Abstract |
(1) 原子分解能STM探針自動作成装置の試作 走査トンネル顕微鏡(STM)探針からの電界放射電子によってカーボン試料の内殻電子を励起するためには、300V以上の印加電圧で10nA以上の電流が取り出せ、かつ同じ探針でSTM観察が原子分解能で行えることが必要である。このために、電解研磨によって先鋭なタングステン探針を再現性良く作成する方法を開発した。液面下の探針材が落下する際の研磨電流の変化を検知し電解電流を遮断するまでの時間を50nsまで短縮することにより、200Vで6nAの電界放射電流を得ることに成功した。200Vまでの電圧依存性は、電界イオン顕微鏡で測定した探針先端の曲率半径から期待される理論式によく一致することを見出し、高電圧への外挿から目的に十分な電流量が確保できる見通しを得た。 (2) フラーレン試料のSTM観察 超高真空中でフラーレン(C60)をSi(111)7x7表面にMBE成長した試料を、(1)で作成した探針を用いて超高真空STMで観察した。適当な条件で作成したアモルファス状のフラーレン膜では、C60クラスターの回転が凍結され、各クラスター内部の微細構造が分解されて観察できることがわかった。C60の正12面体対称性とアモルファスパッキングの正12面体対称性の整合性がアモルファス状態を安定化させているのではないかとの仮説を検証するため、隣接クラスター間の距離とクラスター配位角の分布を測定した。その結果、局所的に面心立方構造をかなり含む正12面体パッキングが基本となっていることが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Inoue: "Electronically enhanced kink motion on 30 degree partial dislocations in Ge directly observed by Plan-view high resolution electron microscopy" J.Appl.Phys.83. 1953-1957 (1998)
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[Publications] M.Inoue: "Reliable image processing that can extract an atomically-resolved shape of partial dislocations in semiconductors from plan-view high resolution electron microscopic images" Ultramicroscopy. 75. 5-14 (1998)
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[Publications] Y.Yamashita: "Hydrogen Enhanced Dislocation Glides in Silicon" phys.stat.sol.(a). 171. 27-34 (1999)
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[Publications] Y.Nakamura: "A Reproducible Method to Fabricate Atomically Sharp Tips for Scanning Tunneling Microscopy" Rev.Sci.Instrum.(submitted). (1999)