1998 Fiscal Year Annual Research Report
リモートブレインアプローチによるロボットソフトウェアの発展研究
Project/Area Number |
10139209
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲葉 雅幸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50184726)
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Keywords | ロボティクス / センサ / 画像処理 / マルチメディア / 信号処理 / センサフュージョン / ブレイン / 感覚 |
Research Abstract |
本研究では,ロボットのソフトウェアにおける適応的発展機構の研究を行なうことを目的としている.さまざまな形態のロボットに対して,それぞれの形態における発展,および,全体に共通部分の発展機構に関して体系的に研究を進めるために,ロボットポディとブレイン部を分けて研究開発が可能なリモートブレイン型ロボットシステムを構築して研究を進めている.とくに,多自由度の感覚系をもち運動自由度も多い人間型ロボットを対象として,動作系,感覚系,感覚動作統合系という段階を設けて研究を進めており,本年度は感覚系のソフトウェアを対象とした. ロボットの感覚情報は,動作出力情報よりも多く,種類も増える方向へ発展している.各種あるセンサ情報処理の手法自体が発展途上にあり,視覚などの計算処理能力の高い専用ハードウェアの進化によるところが多かった.しかし,ハードウェアが変わると,ソフトウェアの発展が断たれることは多い.近年,汎用プロセッサの性能が向上し,その上のソフトウェアが専用画像処理ハードの性能を凌ぎつつあるものもある.特殊なセンサ処理ハードウェアに頼って特化したソフトウェアで発展させるのではなく,汎用で処理性能が進化しつづけている計算機におけるソフトウェアの形で発展機構の仕組みを実現することができる時代になっており,そのようなソフトウェア主導型の枠組みが必要となっている.他方,感覚系情報とは,ブレインへの全入力と定義できる.感覚処理系の機能の発展段階は,その全入力のレベル向上によって刻まれる.ブレインへの全入力をある時刻の画像として統一して表現し,その画像内に記される各種感覚情報の種類と量とで感覚処理系への入力レベルを定義する形のリモートブレイン方式では,このレベルに従って感覚系の発展がすすみ,可能な行動発展のレベル付けを行える形とするシステム実現と実験を行った.感覚系のレベルの違いにより可能な行動が次第に発展していることを示した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Inaba: "Remote-brained humanoid project" Advanced Robotics. 11・6. 605-620 (1998)
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[Publications] 稲葉雅幸,星野由紀子,井上博允: "導電性ファブリックを用いた全身被服型触覚センサスーツ" 日本ロボット学会学会誌. 16・1. 80-86 (1998)
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[Publications] M.Inaba,T.Igarashi,S.Kagami,H.Inoue: "Design and implementation of a 35 d.o.f. full-body humanoid that can sit, stand up and grasp an object" Advanced Robotics. 12・1. 1-14 (1998)
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[Publications] 稲葉雅幸,井上博允: "東京大学JSKにおけるヒューマノイド研究" 日本機械学会第4回JSMEロボメカ・シンポジア講演論文集. 98・70. 38-43 (1999)
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[Publications] Y.Hoshino,M.Inaba,H.lnoue: "Model and Processing of whole-body Tactile Sensor Suit for Human-Robot Contact Interaction" Proceedings of the 1997 IEEE International Conference on Robotics and Automation. 2281-2286 (1998)
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[Publications] 金広文男,稲葉雅幸,井上博允: "類人猿型ロボットにおける二足歩行への機能発達過程の研究" 日本機械学会ロボティクスメカトロニクス講演会'98. 1AII1-11 (1998)