1998 Fiscal Year Annual Research Report
繊維染色プロセスゼロエミッション化へのデータベースとプロセスシミュレータの開発
Project/Area Number |
10141101
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
林 良茂 金沢大学, 工学部, 教授 (60019750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 任重 信州大学, 理学部, 助教授 (60291382)
清水 宣明 金沢大学, 工学部, 教授 (50019634)
川西 琢也 金沢大学, 工学部, 助教授 (80234087)
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Keywords | 染色(Dyeing) / データベース(Database) / 物質収支(Material balance) / リサイクル(Recycling) |
Research Abstract |
本研究では、水と薬剤を大量に使用する繊維染色プロセスのマスバランス、排水処理のコスト、薬剤の性状についてデータベースを構築するとともに、プロセスシュミレーターを用いて個々の改善策の全体での物質の流れに対する影響を推算することを目的とする。本年度は、昨年度のアンケート調査に加え、事業場の訪問調査を行い、水使用量、薬剤使用量、工程からの排水の水質について詳細に検討した。 この結果、ポリエステル浸染の代表的工程において、マスバランスが明らかとなり、膜分離など現在確立されている技術によって何をどこまでリサイクルが可能かが計算できるよう様になった。その結果、糊抜工程からは合成糊剤(PVAなど)が回収可能であること、合成糊剤はほとんど繊維業界のみで用いられており、回収した糊剤の引き受け先としては織布製造業ぐらいしかないこと、減量工程からはポリエチレンテレフタラートが回収され、これはポリエステル製造工程等にリサイクルできること、また同工程からアルカリを回収することができ、これを同一工程で再利用できること、などが明らかになった。 将来のさらなるゼロエミッション化のためには、生物分解性が低いが現在のところ代替が難しいノニオン系界面活性剤の回収技術あるいは生物分解性の高いものへの代替、水、溶剤使用量を極力低減するインクジェットプリント法の開発等が技術開発課題であることが明らかとなった。また、染色業は中小規模の事業場が多いため、高価なリサイクル装置などの導入が難しい場合がある。染色業のゼロエミッション化のためには、この様な業界の事業を考慮しながら、リサイクル技術の普及、新ゼロエミッション技術の開発を進める必要がある。
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