1998 Fiscal Year Annual Research Report
木材の新規急速熱分解法による無水糖類の合成と森林資源の高度有効利用
Project/Area Number |
10141201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40166955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 正勝 北海道大学, 工技院・北海道工業技術研究所・低温生物工学, 主任研究官
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Keywords | 木材 / マイクロ波 / 急速熱分解 / 無水糖類 / 森林資源 |
Research Abstract |
最適なマイクロ波照射条件を求めるために、マイクロ波照射時間に対する炭化物収量を求めた結果を図1に示す。縦軸は固形残渣量、横軸は木材1Kgに換算した電力量を示す。木材のマイクロ波照射に従い、ガスが発生し木材の重さ、直径によって異なるが11〜15分くらいで完全炭化することが分かった。炭化は内部から進行し、照射時間が短いと木材表面は未炭化となった。 生成タール中の無水糖類(1,6-無水グルコース=レボグルコサン)は木材より2.28%の収率で得られることが分かった。レボグルコサンは、セルロースの熱分解により生成するので、木材中には約50%のセルロースが含まれているのでセルロースからの換算では約5%となる。これは、純セルロースのガスによる外部加熱熱分解法による収率とほぼ同じであるので、マイクロ波急速熱分解法は、森林木材の保護・有効利用にとって有利な方法になると思われる。レボグルコサン以外の無水糖類は、1,6-無水マンノース(マンノサン)、1,6-無水ガラクトース(ガラクトサン)、1,4-無水キシロース(キシロサン)などがGCによって確認された。
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