1998 Fiscal Year Annual Research Report
塩素転生サイクル系におけるリサイクル性に関する研究
Project/Area Number |
10141210
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河村 光隆 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20301129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70115111)
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Keywords | リサイクル / 物質循環モデル / LCA |
Research Abstract |
食塩分解で製造される塩素から消費されて再び塩として戻る塩素転生サイクル過程を物質流構造分析(SFA)により追跡しながら、この構造にリサイクル経路を導入した場合のサイクルにおける物質混合の予測手法、リサイクル物質のLCA手法に関する研究を行った。 社会における物質循環モデル:塩素は化学品から製品へ、製品が市場へ上市され、そこで消費される。役割を終えたものは最終的に環境へ放出、廃棄される。環境へ排出される量はリサイクルによって縮減することが可能である。しかしある物質のリサイクル性の評価を行うには製造から消費という流れの中で社会における当該物質の汚染・劣化を見積もることが必要である。汚染機構は社会での混合過程が主であり、このモデル化を検討した。塩素の転生構造は樹枝状構造で近似されるので、単一物質については単純な物質社会循環モデルで社会における混合過程を近似した。他の物質に転生する場合は反応項を加えることによって考慮することができる。リサイクルが社会での混合過程に及ぼす影響を物質の単位量のパケットを仮定して各パケットの社会における年齢分布および汚染濃度分布をPopulation Balanceにより記述した。社会のストック容量は一般に一定ではなく増加、減少する。得られた頻度関数から、物質の年齢分布や、環境影響量が求められる。社会のストック容量が一定の場合の年齢分布は社会における混合機構及びリサイクル状況の関数である。 環境影響評価:ある物質の環境影響評価は各Q_v、Q_w、Q_r、Sのインベントリー係数をa_v、a_w、a_r、a_sとすれば影響量EはE=a_vQ_v+a_wQ_w+a_rQ_r+a_sで与えられる。流れが定常状態の場合、リサイクルが成立するための必要条件は1>a_r/a_v-a_w/a_vを満足することである。
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