Research Abstract |
(1)機械学習とデータマイニング技術による知識発見システムの開発:宮野は,知識発見にはデータを見る新たな見方の発見が鍵となるという考えに基づき,これまで知識発見支援システムGenomic Hypothesis Creatorを開発してきた.このシステムに,ビューのデザインと連動するView Navigatorを目指したインターフェース実装した.森下は,これまで並列データマイニングに取り組んでその実装技術を確立してきたが,その技術をさらに発展させ,高価な並列計算機を利用しなくてもよいように,単体のPCワークステーションクラス上で実装可能な技術を開発した.矢田は,G&Gファルマ社の協力を得て,実際の販売・経営データ及びその販売実験を通して,経営データにデータマイニング技術を適用するために必要な基礎技術を確立した. (2)大規模数値データからの知識発見方式:荒木は,太陽地球系物理学の時系列データから特定の現象をその現象に特徴的なパラメータの判定により自動識別・抽出する方法を開発し,リアルタイム現象検出と統計的解析に役立た.北川は,統計科学に基礎をおいて、計測機器の飛躍的進展により高精度の観測値が時々刻々多地点で同時に得られるようになったことに対応するため(地震,人工衛星,GPS等),統計モデルと情報量規準を用いる微小な信号の抽出法,多変数間の関係を検出し推定する方法,非線形システムの同定法の開発を行うことにより,こうした大量統計データからの知識発見の方法を開発した.中野は,ルール発見方式の研究において,ニューラルネット技術を用いて多変量データが数値データだけでなく質的データ(名義尺度、順序尺度)を含む場合に対応できる部分空間と多項式型法則を発見するシステムRF6を開発してきたが,この有効性を評価し必要に応じて改良した.新島は,画像が人間がコンピュータを介して知識を発見するための不可欠な媒介物であるとの認識にたち,リフティングウェーブレットと独立分析による画像からの構造発見システムの研究を行った.元田は,数値データについて数量関係を探索し,その中から高い普遍性が証明される関係を法則として自動的に発見するアルゴリズムを開発し,それに基づいて実用的な法則発見システムを構築してきたが,このシステムがさらに厳しい条件に拡張可能であるかを検討した. また,発見科学全体に関わったものであるが,森下真一・宮野悟編「発見科学とデータマイニング」,bit別冊号,2000(共立出版)及び、S.Miyano et al.(eds),Surveys on Discovey Science,IEICE Transaction on Information Systems,E83-D,No.1,2000を編集した。
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