1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10143105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 雅彦 京都大学, 情報学研究科, 教授 (20027387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野家 啓一 東北大学, 文学部, 教授 (40103220)
井田 哲雄 筑波大学, 電子情報系, 教授 (70100047)
小野 寛晰 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90055319)
萩谷 昌己 東京大学, 理学系研究科, 教授 (30156252)
岡田 光弘 慶応大学, 文学部, 教授 (30224025)
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Keywords | 知識発見 / 科学哲学 / 数理論理学 / 知識獲得 / 環境計算 / モデル・チェッキング / 古典論理 / 分散計算環境 |
Research Abstract |
新たな知識の発見・獲得は,科学の諸分野の発展の契機であり続けてきた.さらに,近年,人による発見だけでなく,計算機を用いた大量データからの機械発見の研究が盛んになりつつある.しかし,現在までのところ,その手法は事例に学ぶ実証的なものであり,発見のための論理として一般的な基礎付けはなされていない.このような状況のもとで,本研究組織では,結論への飛躍,個々の仮説の棄却,さらには,仮説空間全体の棄却といった事象の論理構造を明らかにし,特定の応用分野にとらわれない一般性を持つ「発見のための論理体系」の構築と,その論理体系の機械発見等への応用の研究が必要であると考えて研究を行った. 哲学・論理グループでは,発見を広い観点から研究し,特に,発見の歴史的,社会的側面を考慮して研究を行った.主要な成果は,(i)科学的発見におけるメタファーの役割について,換喩的想像力と隠喩的想像力という観点から特徴付けを行った(ii)演繹的観点からの発見の特徴付けの1つとして,ゲーデルの不完全性定理の果たす役割を明らかにした(iii)知識獲得過程に対して,信念更新の理論を利用した形式化を与えた,等がある. 情報科学グループでは,発見の計算論的側面を主に研究し,知識の機械発見の理論的基礎付けを目標とした.成果としては,(i)環境と文脈を持つ計算系の提案.(ii)昨年度からのモデル検査によるアルゴリズム発見の研究の継続として,Dekkerのアルゴリズムの変種の発見(iii)抽象モデル検査における抽象化の発見(iv)等式の求解アルゴリズムにおける知識発見,(v)古典論理の証明からのアルゴリズム発見のための形式化がある.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M. Sato, T. Sakura, R. Burstall: "Explicit Environments"Lecture Notes in Computer Science. 1581. 340-354 (1999)
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[Publications] 野家啓一: "科学の変貌と再定義"科学/技術と人間. 1. 93-125 (1999)
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[Publications] M. Okada: "A Phase Semantic Higher Cut-Elimination"Theoretical Computer Science. 227. 333-396 (1999)
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[Publications] M. Marin, T. Ida, T. Suzuki: "On Reducing the Search Space of Higher-Order Lazy Namouing"Lecture Notesin Computer Science. 1722. 225-240 (1999)
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[Publications] 戸田洋三、萩谷昌己: "タクティクからのプログラム抽出とその応用"情報処理学会論文誌:プログラミング. 40. 21-32 (1999)
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[Publications] Y. Kameyama: "A Type System for Delimited Continuations"Proc. Workshop on Prog. and Prog. Lang.. (発表予定). (2000)
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[Publications] 野家啓一(編): "ウィトゲンシュタインの知88"新書館. (1999)
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[Publications] M. Okada (共著): "法的知識の論理による表現"創成社出版. (2000)