1998 Fiscal Year Annual Research Report
非人為的影響域における大気中の有機エアロゾルの動態とキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
10144209
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 款 静岡大学, 理学部, 教授 (30252159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 紘一 東京大学, 工学部, 助教授 (70108637)
ベアトリス カサレト 水圏科学コンサルタント, 主任研究員
和田 秀樹 静岡大学, 理学部, 教授 (20126791)
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Keywords | エーロゾル / 乗鞍 / 霧水 / 化学成分 / 粒子状炭素 |
Research Abstract |
大気環境変動のメカニズムの解明において,エーロゾルの果たす役割は重要である.非汚染地域である乗鞍岳と富士山麓でエーロソル,降水,霧の観測を行った.pHの範囲はpH4.2から5.9の範囲にある.霧水と降水を比べてみるとpHは霧水で低い値である.霧水では、硫酸イオン、硝酸イオン濃度は降水に比べて非常に高い.容存有機炭素濃度は霧氷では降水中の10倍から100倍程度高い.乗鞍岳の降水中の主要成分のイオンバランスとpHの関係を調べてみると、いくつかの試料については、陽イオンが多く存在し、pHとの間のバランスが説明できない.この原因は降水中に溶けている有機物がpHのバランスに影響を与えている。乗鞍岳での降水および霧水の化学成分では有機物濃度の変動が極めて重要であることが示唆された. 降水中にバクテリアが検出された,しかもその多くは土壌あるいは海水の飛沫(海塩)と共存している.これらの数を計測したところ1cm3の降水中におよそ1×104個存在していた.蛍光粒子が観察され,これらの粒子の赤外スペクトルから,タンパク質および脂質態物質で構成されている生物起源有機物粒子であることが示唆された. 粒子状炭素の粒径は1μmより小さな粒径に大部分存在している.これらの粒子の濃度0.2から1.0μg/m3の間にある.粒子状の炭素の主なものはすすで,表面が疎水性で水に対して親和性が非常に小さいと考えられるが,すす等の粒子状炭素の表面は効率良く,水を吸着する可能性が高いことが示唆された. これらの研究成果から山岳地での系統的な研究がさらに必要であると考えた。有機物粒子の霧水形成への影響は、これらの粒子の雲物理学的役割を評価するうえで極めて重要な課題である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 鈴木款: "Arole of atmospheric organic aerosolin clomate change" In procedings of IGAC at Nagoya. 36-41 (1997)
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[Publications] 鈴木款: "レーザー顕微鏡による降水中蛍光粒子の観察" 静岡大学地球科学研究報告. 24. 69-78 (1997)
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[Publications] 鈴木款: "On the Mixed aerozol in the atmospher at Shizuoka" Atmospheric Chemistry. 23. 44-52 (1998)
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[Publications] 鈴木款: "大気中の炭素質エーロゾル濃度の季節変化と粒径分布" 大気科学シンポジウム. 69-73 (1998)
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[Publications] 鈴木款: "降水連続採取による大気中化学成分の除去機構" 大気科学シンポジウム. 74-81 (1998)