1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10144211
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松永 捷司 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60022729)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 政彦 福岡大学, 理学部, 助教授 (50228590)
長田 和雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (80252295)
柴田 隆 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (70167443)
|
Keywords | 有機エアロゾル / インパクター / GC / MS / 分離・同定定量 |
Research Abstract |
電子顕微鏡写真の粒子の周りの“シミ"状の物がたびたび観察されることから、水も含め揮発性物質、すなわち“揮発性有機物も含まれている可能性有り"との仮説のもとに、エアロゾルをインパクターで採集し、GC/MSによって有機物の同定と定量をこころみた。エアロゾル採集後は外気との交換を避けるためにスクリュウバイエル瓶に保存し、分析時もテフロンシートを介した注射針にてGC/MSに連結し、150Cにて追い出し、ミクロ濃縮後、有機成分を分離・同定定量した。カットオフ径として2μmと0.2μmを選んだ。採集はステージ用にはφ27mm、バックアップ用にはφ47mmのGF/Cロ紙をそれぞれ450Cにて加熱処理して用いた。結果は、2μm以上、21μm以下ー0.2μm以上及びバックアップともに、ブランク値が大きく優意性に欠けたデータであった。 対処策として、ザンプリング前もエアロゾル補集材は外気との接触を可能な限り回避するために個別に捕集バウエルに保管し、テフロンライナーからのCS2等のコンタミをさける工夫が必要である。ヌクレオポアフィルター等の捕集材も検討を要する課題である。これらの問題が解決すればドライアイス冷却可能な本インパクターは機器を現場に持ち込むことなく、高所、極域などでのエアロゾルに含まれる有機物の研究に有効となろう。成分としてはアルコール、ケトン等含酸素有機物である酸化途中の中間生成物とも考えられる成分がバックアップフィルターばかりでなく0.2μm以上の粒子画分にも検出されこれらの成分を含んだ水の薄膜の存在が示唆された。マクロでは0.1%前後の濃度では水の性質に多くの影響を与えないことが知られているがミクロでは影響が予測される。
|