1998 Fiscal Year Annual Research Report
バイオターゲッティング素子としての抗体断片の高効率生産と構造機能解析
Project/Area Number |
10145248
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
山形 秀夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20023468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 正樹 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (90277252)
太田 敏博 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (10266893)
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Keywords | 抗体Fab断片 / Bacillus brevis / シグナルペプチド / 融合遺伝子 / 単鎖抗体 |
Research Abstract |
B.brevis系において抗ヒトウロキナーゼIgG1Fabの生産量は100mg/lであり、単純なフラスコ培養の結果としては、他の系における生産量より高い。しかし、この量はB.brevisにおける原核生物由来のタンパク質の生産量と比較すると少ない。この原因を明らかにするため、抗体断片とBacillus lichenniformisのα-アミラーゼとの融合遺伝子を作製して、その発現について解析した。このアミラーゼはB.brevis系において大量(3.5g/l)に生産されることから、転写、翻訳、分泌過程における障害が殆どなく、分泌後のタンパク質としての安定性も非常に高いと考えられる。先ず抗ヒトウロキナーゼIgG1FabのL鎖遺伝子との融合遺伝子を作製して発現させたところ、α-アミラーゼ遺伝子を単独で発現させた場合とほぼ同量の融合遺伝子産物が培地中へ分泌された。この結果は抗ヒトウロキナーゼIgG1FabのL鎖にはB.brevisにおける転写、翻訳、分泌過程を阻害するアミノ酸配列が存在しないことを示している。現在H鎖のアミノ酸配列について同様な解析を行いつつある。 19、32、43、53、および63個のアミノ酸からなるリンカーペプチドにより連結された抗ヒトウロキナーゼIgG1単鎖Fabの発現分泌ベクターを作製し、B.brevisに導入した。その結果、43個のアミノ酸からなるリンカーペプチドを用いた場合に最高生産量(10mg/l)が観察された。一方、抗ヒト白血球抗原IgGl単鎖Fabについては63個のアミノ酸からなるリンカーペプチドを用いて200mg/lに達する生産量が観察された。現在、二つの単鎖Fabのアミノ酸配列のどのような違いが生産効率の差の原因となっているかを解析しつつある。
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[Publications] Toshihiro Ohta: "Development of new tester strains derived from E.coli WP2uvrA for the determination of mutational specificity." Mutation Research. 413. 219-225 (1998)
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[Publications] Shoko Kimura: "Heterogeneity and differential expression under hypoxia of two-domain hemoglobin chains in the water flea, Daphnia magna." Journal of Biological Chemistry. (in press).
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[Publications] Masaki Kojima: "Analysis of the folding intermediate of Aspergilluo niger acid protease A using pH jump method." Photon Factory Acitivity Report. (in press).
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[Publications] 山形秀夫(共編著): "生命科学への誘い" 東京化学同人, 146 (1998)