1998 Fiscal Year Annual Research Report
アズレン及びその関連π電子系を利用した新規拡張共役系化合物の合成
Project/Area Number |
10146204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森田 昇 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90005819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 俊司 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10213042)
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Keywords | アズレン / カルボカチオン / ジシアノキノジメタン / アズレニルスルフィン / ジメチルアミノアズレン / ジクロロケテン / ヒドロキシアズレン |
Research Abstract |
1. アズレン環の高い公極効果を利用したカルボカチオンの高度な安定化 今回,新たにアズレン環と電子供与基であるジメチルアミノ基を組み合わせたトリス(ジメチルアミノアズレニル)メチルカチオンの合成とその安定性についての検討を行った。結果,pK_R^+で24.3と現在のところ世界一大きなpK_R^+値をもつ安定なカルボカチオンであることが判明した。 2. アズレン環の高い分極効果を利用した高度に分極したπ共役系の構築 アズレン環により拡張されたジシアノキノジメタン類を合成しそのUVやCVを用いて分極特性に関する検討を行った。その結果ジアズレニルジシアノキノジメタンはキノンメチッドより更に大きな分極性を持つことが明らかになった。 3. アズレン環の高い分極効果がヘテロクムレン結合の物性および反応性に及ぼす効果 1-アズレニルスルフィン類の合成法を完成させ、それらの色々な反応性よりトロポチオンS-オキシド同様にスルフィン結合の極性転換の存在を明らかにした. 4. 新規アズレン骨格の合成方法の開発 シクロヘプタトリエンとジクロロケテンの反応を検討した.その結果[2+2]付加体を収率良く生成する条件を見い出した.この[2+2]付加体から本研究の原料であるアズレン類、2-ヒドロキシアズレン、2-メチルアズレン類、およびアズレン合成の重要な中間体あるオキサアズラノンを短段階で合成する新たな方法を開発することができた。
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[Publications] Noboru Morita: "Reactivity of (2,4-cycloheptadiene-1,6-dione)Fe(CO)_<3:> synthesis of hinokitiol and(7,8-diphenylheptatriafulvene-1,6-quinone(Fe(CO)_3" Journal of Organometallic Chemistry. 570・2. 256-274 (1998)
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[Publications] Noboru Morita: "Structure of endo-2,3-homotroponeFe(CO)_3 and synthesis of optically active endo-1,2-homoheptafulvalene(CO)_3 and endo-1,2-homoheptafulvalene(CO)_3 derivatives" Enantiomer. 3・6. 453-461 (1998)
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[Publications] Shunji Ito: "Synthesis and Properties of Extremely Stable Tris(6-methoxy-1-azulenyl)methyl Cation and a Series of Di(1-azulenyl)phenylmethyl and.........." Bulletin of the Chemical Society of Japan. (in press). (1999)