1998 Fiscal Year Annual Research Report
高分子拡張共役電子系としての置換ポリアセチレンの創製と特性の解明
Project/Area Number |
10146225
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026276)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 亮二 京都大学, 工学研究科, 助手 (40242317)
|
Keywords | ポリアセチレン / 置換ポリアセチレン / 共役 / 結合芳香環 / 重合 / 遷移金属触媒 / フォノールミネッセンス |
Research Abstract |
本研究では、広い共役系を有し安定かつ可溶な置換ポリアセチレンの設計、合成、および特性の解明を目的として検討を行った。具体的には、種々の縮合芳香環を側鎖にもつ一置換ポリアセチレンを合成し、その基礎的諸性質の解明を行った。 縮合芳香環としてナフチル、アントリル、フェナントリル、ピレニル基もつ芳香族アセチレンを合成し、各種遷移金属触媒を用いて重合を行った。その結果、MoやRh触媒による重合では容媒不溶のポリマーが低収率で得られるに留まったのに対し、W触媒を用いた場合には收率良くポリマー得られた。W触媒によって得られたポリマーは深く着色しており(濃紫色)、主鎖の共役が大きく拡張されていることが分かった。これに対し、MoあるいはRh触媒によって得られたポリマーは褐色であり、主鎖共役の程度が低いことが分かった。主鎖共役の程度とモノマー構造の間にはおおまかな相関関係があり、側鎖と主鎖の立体障害の大きなポリマーほど主鎖共役が広がる傾向にあった。例えば、1-アントリルアセチレンや9-フェナントリルアセチレン、1-ピレニルアセチレンからは吸収極大が560〜580nmにも達するポリマーが得られた点は興味深い。特筆すべき点は、W触媒によって生成したポリマーは有機溶媒に一部可溶であることであり、時にo-ジクロロベンゼンには高い溶解性を示すことが分かった。また、生成ポリマーの広い共役を反映し、生成ポリマーはフォトルミネッセンス効果を示すことが分かった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Tomoaki Sata: "Polymerization of Propynes Bearing Diphenylamino or Indolyl Groups" Polym.Bull.41, 4. 395-399 (1998)
-
[Publications] Kittichote Musikanhuma: "Synthesis and Properties of Widely Conjugated Polyacetylenes Having Anthryl and PHenanthryl Pendant Groups" J.Polym.Sci., Part A, Polym.Chem.36, 17. 3131-3137 (1998)
-
[Publications] Kazunari Nanjo: "Synthesis and Properties of Poly(1-naphthylacetylene)and Poly(9-anthrylacetylene)" J.Polym.Sci., Part A, Polym.Chem.37, 3. 277-282 (1999)
-
[Publications] Tomoaki Sata: "Polymerization of N-Carbazolylacetylene by Various Transition Metal Catalysts and Polymer Procerties" J.Polym.Sci., Part A, Polym.Chem.36, 14. 2489-2492 (1998)