2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10147202
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
長谷川 哲夫 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (50134630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 卓 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
半田 利弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40202270)
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Keywords | サブミリ波 / 星間分子 / 星の誕生 / マゼラン雲 / 銀河系 |
Research Abstract |
1.マゼラン雲の本格観測を可能にする高感度受信機の製作・整備 これまで観測してきたCO J=2-1輝線のほかに、CO J=3-2,CS J=5-4,HCN J=3-2,同J=4-3,HCO+J=3-2,同J=4-3の輝線を観測できる入力光学系の設計製作を行った。ミクサーは試作を通じてマウントの最適化を進めた。特に230GHz帯は、SIS素子が最適バイアス付近で負性抵抗を持つ問題がわかり、素子のマウント位置の精度向上、バイアス回路の改良、印可磁場強度の最適化により対処した。 観測周波数範囲の広帯域化を進めるために、ディジタル相関型分光器を導入し、その整備をすすめた。 2.観測の自動化、リモート化 望遠鏡システムをインターネット経由で監視・制御するシステムを開発し、野辺山の60cm望遠鏡1号機を実際に東京から運用してその安定性を確認した。システム改良の結果、最長2ヶ月間の無人リモート観測ができた。しかし、日本-チリ間のインターネットは接続が不安定で、現在のシステムではまだ長期リモート運転は難しい。この点については平成11年度の研究項目である。 3.これまでに取得した予備的なデータの解析と出版 大マゼラン雲についての予備的な観測データを詳細に解析し、論文としてまとめた。銀河系の観測データを整理し、大マゼラン雲との類似点・相違点をまとめた。大マゼラン雲は、銀河系円盤部と同様、CO2-1/1-0輝線強度比の動径方向の勾配があるようであるが、銀河系の中心部に見られる分子ガスの集中は大マゼラン雲には見られない。 4.銀河系との比較 比較の対象となる銀河系について、13COも含む高感度観測を行い、分子ガスの大局的な圧力分布を調べることに成功した。
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[Publications] N.Ukita et al.: "NRD 10-m submillimeter telescope"Proc.SPIE. 4015. 177-184 (2000)
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[Publications] F.Sato,T.Hasegawa,J.B.Whiteoak,R.Miyawaki: "Cloud Collision-induced Star Formation in Sagittarius B2.I.Large-Scale Kinematics"Astrophys.J.. 535. 857-868 (2000)
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[Publications] T.Nakano,T.Hasegawa,J-I.Morino,T.Yamashita: "Evolution of Protostars Accreting Mass at Very High Rates : Is Orion IRc2 a Huge Protostar"Astrophys.J. 534. 976-983 (2000)