1998 Fiscal Year Annual Research Report
CCDによる全天Hαサーベイ-マゼラン雲流の光学的検出
Project/Area Number |
10147213
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
小倉 勝男 国学院大学, 文学部, 教授 (30102099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 義明 東京大学, 理学系大学院, 教授 (10022667)
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Keywords | マゼラン雲流 / 大マゼラン星雲 / 小マゼラン星雲 / 中性水素雲 / Hα輝線 / 21cm輝線 / 銀河系ハロー / 全天サーベイ |
Research Abstract |
本研究の目的は、新しいアイデイアに基づく観測装置によりHα輝線で全天を深く撮像し、シュミット望遠鏡(写野6度角程度)でもとらえられないような大きな拡がりをもつ天体を検出することである。その第1のターゲットはマゼラン雲流の光学的対応物であるが、その他にも、North Polar Spurや、HIやIRASサーベイ等でみられる銀河系内の様々な構造、そしてedge-on銀河等にみられる銀河面から噴出するガスなども発見される可能性がある。その観測装置とはCCDカメラに広角カメラレンズを組み合わせた「広角撮像装置」(写野19度角、分解能1'/pixcel)であるが、これは前年度までに完成し、木曽観測所でのテスト観測をへて、今年度2回(4月と8月)にわたってオーストラリアのMt Kent天文台(クイーンズランド州)で観測を行った。しかし天候や装置のトラブルにより全天の約10%程度と、期待したほどの進展が得られず、観測した天域もとびとびで、新しい興味ある構造はまだ検出にいたっていない。そこで戦略を見直し、方針を転換することにした。それは、CCDカメラに魚眼レンズを組み合わせて写野角100度四方程度が得られる「超広角撮像装置」を新たに製作して全天をまず荒くサーベイし、それにより検出された興味ある構造のある天域のみを当初の広角撮像装置で詳細観測する、というものである。目下この超広角撮像装置の製作に向け、そのモデルとなる東北大学地球物理学教室のオーロラ観測用全天カメラに我々のCCDカメラを組み込んでテスト観測を実施しようとしているところである。来年度秋までには本観測に入ることができる見込みである。
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[Publications] K.Ogura and K.Sugitani: "Remnant Molecular Clouds in the Ori OB 1 Association" Publications of the Astronomical Society of Australia. (1998)
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[Publications] K.Ogura, M.Nakano, K.Sugitani and T.Liljestrom: "Carbon Monoxide Observations of the HH 135/136 Complex" Astronomy and Astrophysics. 338. 576-580 (1998)
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[Publications] Y.Sofue, A.Tomita, Y.Tutui, H.Honma and Y.Takeda: "Nuclear-to-Disk Rotation Curves of Galaxies in the Hα and 〔NII〕 Emission Lines" Publications of the Astronomical Society of Japan. 50. 427-464 (1998)