1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10148104
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 益男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80133049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋葉 悦男 物質工学工業技術研究所, 無機材料部, 無機機能設計研究室長(研究職)
渡辺 国昭 富山大学, 水素同位体機能研究センター, 教授 (50001326)
永井 宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029206)
亀川 厚則 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90292242)
境 哲男 大阪工業技術研究所, エネルギー変換材料部, 電池研究室長(研究職)
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Keywords | プロチウム / 高密度プロチウム合金 / 超高圧合成法 / BCC個溶体 / BCC構造 / 多孔質化 / MgNi_2 / 熱力学計算状態図 |
Research Abstract |
本領域開始当初の目的である、現用の希土類合金の2倍のプロチウム吸蔵量である2.6mass%が、本年度の当初に本研究課題より達成された。これにより、目標を100℃以下、3mass%と上方修正し、本研究もそれを具備する合金を開発することを目的として、以下の成果を得た。 1)Ti-V-Cr合金において、体心立方構造を有する相を主相として組織を制御することが、高容量化に重要であるという知見を得た。組成および熱処理について詳細に調査した結果、V量を10at%まで減じた組成においても2.6mass%の高容量を有することを見だした。。さらに、第4元素として遷移金属(Mn,Fe,Ni)およびBCC形成元素(Nb,Ta,Mo,W)を選択し、検討した結果、Mnは吸蔵量とプラトー平坦性に、MoはBCC形成に効果があることが分かった。 2)Mg-Ni系において、焼結法および超高圧合成法を用いて、調査を行った。その結果、超高圧水素雰囲気下において立方晶と推察される未知の構造を有する化合物が幾つか観察された。 3)アモルファスMgNi系粉末の焼結電極は電池用電極として、室温において大きな放電容量が得られることが見いだされているが、充放電を繰り返すと放電容量が低下することが問題となっている。これの原因を詳細に調査した結果、Mgを昇華させ多孔質化させる際に、MgNi_2やMg_2Ni相が結晶化したために放電容量が低下することが分かった。 4)Ti-V-Cr合金において、BCC相の安定および準安定存在領域について、熱力学的計算を行い、各2元系平衡状態図および3元系濃度断面図の調査を行った。その結果低温になるにつれて準安定2相分離領域が広がっていることが求められ、この結果より本系においても高吸蔵特性が得られるスピノーダル分解による変調組織が期待されることが分かった。
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[Publications] M. Okada: "Crystal structure and protium absorption properties of La-rich La(Ni, M)x(x=3-4.7)(M=Al, Co, Mn, Si)melt-spun ribbons"Journal of Alloys and Compounds. 293-295. 130-134 (1999)
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[Publications] T. Kuriiwa: "New V-based alloys with high protium absorption and desorption capacity"Journal of Alloys and Compounds. 293-295. 433-436 (1999)
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[Publications] K. Watanabe: "Charge and discharge characteristics of sintered Mg2Ni"Journal of Alloys and Compounds. 293-295. 626-631 (1999)
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[Publications] Y. Hatano: "Effect of Surface Modification by Heating in Argon on Charge/Discharge Characteristics of Mg2Ni Electrode"Materials Transactions, JIM. Vol. 40, No. 9. 919-922 (1999)
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[Publications] Takuya Tamura: "New Vanadium-based Protium Absorbing Alloys with Laves Phase Along Grain Boundary"Materials Transactions, JIM. Vol. 40, No. 5. 431-434 (1999)
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[Publications] 田村卓也: "LaNi5軽合金のプロチウム吸蔵特性および電気化学特性に及ぼす化学的エッチングの影響"粉体および粉末冶金. 第46巻第2号. 131-137 (1999)