1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10148206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八木 順一郎 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (20006050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 興和 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (40292271)
高橋 礼二郎 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (30006051)
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Keywords | 燃焼合成 / 高水素吸蔵能 / マグネシウム / 水素化燃焼合成 / 大量生産 / 水素吸蔵合金 / ニッケル |
Research Abstract |
近年、異種粉体金属の圧粉体を加熱し、固相間発熱反応が自発的に生じ瞬間的に合成が終了する燃焼合成法(Combustion Synthesis)が注目されている。この合成法では粉体を混合し加熱することから容易に合金組成を制御することが可能で、発熱反応を利用する省エネルギープロセスであることから、金属水素化物を安価に大量生産できる可能性がある。一方、燃焼合成を水素雰囲気下で行い直接水素化物を得ることが可能な水素化燃焼合成(Hydriding Combustion Synthesis)による性能改善が考えられる。これは通常の燃焼合成法の利点に加え、金属間化合物が合成されると同時に、クリーンな格子間に水素が進入し直接水素化物を得ることが可能である上、水素の吸蔵放出が容易であり、水素吸蔵能力の増大、吸蔵放出速度の改善などが期待できる。 試料は、Mg-xmass%Ni(x=0〜54.7)の組成範囲で高純度粉末特級試薬を超音波ホモジナイザーを用いて湿式混合し、乾燥後冷間一方向プレスにより加圧成形した。試料片を反応容器に投入し、反応時の雰囲気制御前にターボ分子ポンプを使用して十分に排気を行った。燃焼合成時の雰囲気はアルゴンとし、水素化燃焼合成は水素を用いた。合成後の試料に対し水素貯蔵能力、および水素吸蔵速度の測定を行った。 その結果、燃焼合成、水素化燃焼合成、それぞれの合成法で作製されたMg-1mass%Niが7.20mass%(理論吸蔵量の94.9%)の水素を吸蔵した他、全ての組成で理論吸蔵量の90%に達した。水素吸蔵速度は、アルゴン中で合成された試料は全て1000秒で理論吸蔵量の50〜60%の水素を吸蔵した。水素化燃焼合成による試料の内、ニッケル添加量の少ない試料(10mass%以下)において速度的な改善は見られなかったが、ニッケルを多量に添加した試料(30〜54.7mass%)では1000秒で理論吸蔵量の80〜85%の水素を速やかに吸蔵した。
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