1998 Fiscal Year Annual Research Report
多座架橋配位子による多核錯体の合成、構造、物性、反応
Project/Area Number |
10149215
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
福田 豊 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (30021950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 真二 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (30183122)
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Keywords | 複核錯体 / テトラケトン / オキサミド / ポリマー異性 |
Research Abstract |
多核金属錯体は、固体分子集合系やクラスター錯体を含めて種々の長距離秩序を持つことがその特徴である。それらの特性は、磁気的相互作用、電子的相互作用(電子移動)等があり、また様々の機能-基質分子の取り込みや化学変換も期待される。多核化創製には種々の架橋配位子が考えられるが、われわれは本年度の研究としてβ-diketoneを2個背中合わせに結合させたテトラケトン、オキサミド(2個のエチレンジアミンとシュウ酸からなる4座配位子で2価の陰イオンとなる)を用いた研究であった。(1)テトラケトン配位子の研究では、新しいタイプの混合配位子複核錯体の生成のほかに3核錯体も得られた。4核錯体も生成しているようであるがこれ以上の多核系では溶解度が極端に悪く現在その精製に苦慮しているところである。第一遷移金属の複核混合配位子錯体の合成も行っているが、これらは今までに見られたクロモトロピズムが観測された。(2)オキサミド4座配位子を用いたd-f混合系を合成する出発原料となる銅錯体を合成したところ、今までに報告がなかったポリマー異性である単核-複核錯体が生成していることが明らかになった。さらに、相手となる希土類錯体として高次混合配位子錯体を合成したところ四元系の9座キレート配位子錯体が得られた。このような高次キレート錯体の系はたいへん珍しい。今後この2種のd-およびf-錯体をドッキングさせた新しい複核系を合成する予定である。
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