1998 Fiscal Year Annual Research Report
ナノドット,ナノワイヤー金属クラスター錯体の分子設計
Project/Area Number |
10149221
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾中 証 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (50024302)
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Keywords | ナノドット錯体 / ナノワイヤー錯体 / オーロフィリシティー / Au-M結合 / 金属クラスター / π-π相互作用 |
Research Abstract |
本年度の目標として以下の二つをターゲットとした。(1)RS-Au-P⌒P-Au-SR,RS-Au-P⌒PAu-Cl型錯体の合成と、オーロフィリシティーを利用して結晶状態において上記分子を無限鎖状につなぎ、Cl,SR基を分子間で直線状に配列させること可否の検証,(2)Au-ホスフィン錯体上でのクラスターの構築。 まず(1)の目標であるが、(PhS-Au)_2(μ-trans-dpen)(1)(trans-dpen=trans-1,2-bis(diphenylphosphino)ethylene),(PhS-Au)(μ-trans-dpen)(Au-Cl)(2),(PhS-Au)_2(μ-dppfe)(3)(dppfe =1,1'-bis(diphenylphosphino)ferrocene),(PhS-Au)(μ-dppfe)(Au-Cl)(4)の合成と単結晶X線構造解析を行った。ジホスフィンとしてdppfeを用いた3、4では結晶状態ではオーロフィリシティーの発現は観測されず、従って分子間でSPh基やClが直線状に配列する現象も観測されなかった。一方1、2においては結晶状態ではオーロフィリシティーが作用し、無限鎖状構造が形成され、SPh基やCIが直線状に配列する構造が形成される事が明らかになった。次に(2)の目標であるが、次の金属クラスターの合成とX線結晶構造解析に成功した:Au_2Re_2(CO)_9dppfe(5),Au_4Co_2(CO)_7(PPh_3)_3(6),[Au-Co(CO)_4]_2(μ-cls-dpen)(7),[Au-Co(CO)_4]_2(μ-dppfe)(8),[Au-Mn(CO)_5]_2(μ-dppfe)(9).5においてAu_2dppfeグループはRe-Re結合で結合しRe_2(CO)_9グループの一方のReにのみ2個のAuが結合した特異な構造をとる。6はバタフライ骨格のAu_4の頂点にCo(CO)_3が位置し、残るCo(CO)_4はPPh_3の「代わりの配位子」として作用している。7においては骨格のジホスフィンのシス構造が維持される為、分子内オーロフィリシティー,r(Au…Au)=3.265(3)Å,が観測された。
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[Publications] S.Onaka et al.: "Construction of a Crystalline Tetrames and Infinite Networks throgh the Dual Use of Au(I)…Au(I)and π-π Interactions" Chem.Lett.,. 525-526 (1998)
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[Publications] S.Onaka et al: "Sepetheses and X-ray structures of mixed metal gold phosphine clusties including an example heavy a evyhly asymmetric Re_2Au_2 skeleton" Inorg.Chim.Acta. (印刷中). (1999)