1998 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復におけるXPA蛋白質の機能とその欠損による紫外線誘発皮膚発癌の解析
Project/Area Number |
10151226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西條 将文 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (90221986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津 可道 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (00207820)
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Keywords | ヌクレオチド除去修復 / 色素性乾皮症 / XPA / RPA / 皮膚癌 / RLGS / dermo-1 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
(1) ヌクレオチド除去修復(NER)において、XPAとRPAの結合が重要な役割を果たしている。欠失XPAを用いた結合実験およびNMRによる解析より、XPA中央部のZnフィンガー領域がRPAp70のDNA結合ドメインと結合することを明らかにした。この結合は高塩濃度で解離するので、Znフィンガー領域に存在する酸性アミノ酸のクラスターが結合に関与していると考えられる。 (2) XPAのN末端は、RPAp34との結合領域である。この領域を欠失したXPAを発現させたA群XP細胞では、正常細胞に比べ、紫外線に対してわずかに感受性を示し、DNAからのピリミジンダイマーの除去も低下していた。この細胞の抽出液により試験管内NER反応を行ったところ、正常細胞抽出液とくらべ低下していた。A群XP細胞抽出液にN末端欠失XPA蛋白質を加えた場合にも、同様の結果が得られた。この欠失XPAは、p70との結合領域が残っているのでRPAとは結合できるが、それだけでは十分でなくp34との結合が機能的に重要であることが示唆された。 (3) XPA遺伝子欠損マウス由来の紫外線誘発皮膚癌細胞株、皮膚癌組織、および正常皮膚組織よりDNAを抽出し、RLGS法により、皮膚癌細胞および癌組織において共通に変化しているスポット19例についてDNAを単離した。サザンブ口ツティングにより、減衰スポット18例、増幅スポット5例、計23例のDNA断片において癌細胞特異的にゲノム構造の変化が認められた。そのうち6例は既知の遺伝子、2例はESTデータベースにおいて認められた遺伝子であったが、dermo-1遺伝子でのみ皮膚癌細胞における発現の上昇が確認された。その他の15例のDNA断片については発現が認められなかった。
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[Publications] Ikegami,Takahisa: "Resonance assignments, solution structure, and backbone dynamics of the DNA-and RPA-binding domain of human repair factor XPA." Journal of Biodremistry. (in press).
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[Publications] Kobayashi,Takehiro: "Mutational analysis of a function of xeroderma pigmentosum group A (XPA) protein in strand-specific DNA repair." Nucleic Acids Research. 26・20. 4662-4668 (1998)
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[Publications] Ikegami,Takahisa: "Solution structure of the DNA-and RPA-binding domain of the human repair factor XPA." Nature Structural Biology. 5・8. 701-706 (1998)
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[Publications] Yao.Jing-Ping: "RPA2,a gene for the 32kDa subunit of replication protein A of chromosone 1p35-36, is not mutated in patients with familial melanoma linked to chromosome 1p3t" Melanoma Research. 8・1. 47-52 (1998)