1998 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞走化性促進因子、PD-Iの作用機構の解明およびがんの質的診断への応用
Project/Area Number |
10153240
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐野 公彦 神戸大学, 医学部, 講師 (40205993)
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Keywords | ホスホジエステーゼI / グリオーマ / エクトエンザイム / PC-1 / PONP |
Research Abstract |
PD-Iβ cDNAをプローブとしてヒトBAC DNAライブラリーをスクリーニングし、PD-Iβ遺伝子の全長を含むクローンを得た。PD-Iβ遺伝子は約60kbの大きさで、25のイントロンと26のエクソンからなっていた。また、各機能ドメイン(細胞質ドメイン、膜貫通ドメイン、ソマトメジンB領域、酵素活性領域、EF handドメイン)はそれぞれ一つのエクソンにコードされていた。5'非翻訳領域にはTATA boxを欠いていたが、複数のCCAAT結合蛋白質の結合配列が認められた。ラット9Lグリオーマ細胞を用いたルシフェラーゼ・アッセイの結果、PD-Iβ遺伝子の転写には-245bpまでの領域が必要であった。また、部位特異的変異導入法によってPDIβの酵素活性にはEF hand配列が必須である事を明らかにした。三つのPD-Iファミリー蛋白質の構造は、細胞外ドメインは極めて良く保存されているが、細胞内ドメインおよび膜貫通領域には全く類似性が認められない。そして、我々のこれ迄の解析によって、肝細胞においてはPC-1はapical surfaceに、PDIβは細胞内小器官およびbasolateral surfaceに局在する事が明らかとなっている。そこで本研究では不死化ヒト軟骨細胞であるTC28細胞にPC-1およびPD-Iβを強制発現して細胞内/外のピロリン酸を測定して、これらの分子の細胞内輸送と作用部位を解析した。PC-1およびPD-Iβ発現細胞はともに細胞内および細胞外のピロリン酸濃度を上昇させた。これらの細胞にゴルジ体から小胞体への輸送を阻害するbrefeldinAを作用させるとPC-1発現細胞のピロリン酸濃度は著明に低下したが、PD-Iβ発現細胞には影響を与えなかった。
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