1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規HLA-A2402拘束性扁平上皮癌拒絶抗原(SART-2)の解析
Project/Area Number |
10153265
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中尾 真修 久留米大学, 医学部, 講師 (40258447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 恭悟 久留米大学, 医学部, 教授 (50125499)
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Keywords | 扁平上皮癌 / CTL / HLA-A2402 / 癌拒絶抗原 |
Research Abstract |
我々は扁平上皮癌患者の末梢血リンパ球よりリンパ球腫瘍混合培養法にてHLA-A2601拘束性CTL株の樹立及び大量培養に成功した。さらに樹立したCTL株よりHLA-A2402拘束性に癌細胞を認識するCTLサブラインを樹立を試み、大量培養に成功した。このCTLサブラインを用いて扁平上皮癌における新しい癌拒絶抗原遺伝子(SART-2)をクローニングした。 SART-2遺伝子は全長約4000塩基であり、第6染色体の長腕(6q22)に位置し6個のエクソンから構成されている。この遺伝子は一部の腺癌には発現していないものの扁平上皮癌に広く発現していた。また正常組織においては普遍的に発現していた。さらにこの遺伝子は958アミノ酸からなる蛋白をコードしており、3個の疎水性領域を持っていることから膜蛋白である可能性が示唆された。SART-2蛋白内に存在するHLA-A2402結合性ペプチドを作製し、これらのペプチドに対するCTLサポラインの感受性を検討したところ、9個のペプチドに対して感受性を示した。さらにこれらのペプチドの中で2個のペプチドに対してCTLサプラインは用量依存性を示した。 これらの2個のペプチドにてHLA-A24陽性の健康人末梢血単核球(PBMC)を刺激した。刺激したPBMCはHLA-A2402陽性及びSART-2陽性の癌細胞を特異的に認識し、細胞傷害活性を示した。 現在、食道癌、頭頚部癌、肺癌などの扁平上皮癌患者のPBMCを用いて健康人と同様に抗原特異的細胞傷害性リンパ球を誘導することができるかどうか検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kikuchi,M.,Nakao,M.,et al.: "Identification of a SART-1-derived peptoide capable of inducing the HLA-A24- restricted and tumor-specific cytotoxic T lymphocytes." Int.J.Cancer. in press. (1999)
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[Publications] Schichijo,S.,Nakao,M.,et al.: "Gann Monograph on Cancer Research No.48" Japan Scientific Societies Press,Tokyo (in press), (1999)