1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10157215
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
赤坂 一之 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50025368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 厚夫 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (90273797)
山田 博昭 神戸大学, 理学部, 助教授 (90030767)
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Keywords | ヘリックス / 高圧NMR / 化学シフト / スピン緩和 / 水素結合 / メリチン / バクテリオロドプシン / グルマリン |
Research Abstract |
蛋白質の基本構造に対する圧力の効果を知る目的で、申請者の研究室で開発した加圧試料セル型超高磁場高分解能NMR(750MHz)を用いて、1〜2000気圧の範囲で圧力を変化させ、(1)典型的なヘリックス、(2)典型的なランダムコイル構造、及び(3)β-シートをもつ小蛋白質(35残基)について、加圧による構造変化、水との水素結合変化、及びダイナミックスの変化を1H、15Nの化学シフトとスピン緩和に基づいて研究した。 1。ヘリックス及びランダムコイル状態の蜂毒蛋白質メリチンの加圧による水素結合の変化メリチンのへリックス構造(メタノール中)の主鎖アミドプロドン(NH)とプロトンの信号が、圧力に対して直線的にかつ可逆的にしかも部位特異的にシフトすることが明かとなった。これらのシフトは、加圧による二次構造(ヘリックス)の変化、特にアミドとカルボニル基との分子内水素結合(NH…O=C)の短縮を示す。またランダムコイル構造(酸性軽水溶液中)について同様の実験を行い、加圧に伴いポリペプチド鎖と水との水素結合が強化されることを明かにした。 2。バクテリオロドプシンヘリックスの加圧によるダイナミックスの変化15N同位体で均一標識したbacteriorhodopsinのhelix(1-36残基)を対象として、軽水溶液中(90%H20/10%D20)で主鎖アミドの15Nスピン緩和とNOEの測定を行った。 解析の結果、30〜2000barの範囲でヘリックス構造の速いゆらぎには大きな変化がないことが明かとなった。 3。水溶液中の小蛋白質グルマリン(甘味抑制蛋白質;35残基)について、加圧による1H化学シフトの測定を行い、加圧に伴うβ-シートの構造変化、溶媒の水との水素結合の短縮を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Inoue: "High pressure NMR study of a small protein gurmarin" J.Biomol.NMR. 12. 535-541 (1998)
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[Publications] 赤坂 一之: "超高磁場高圧NMRで探るタンパク質構造の揺らぎ" 高圧バイオテクノロジー. 第2章. 15-19 (1998)
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[Publications] 赤坂 一之: "高磁場高圧NMRが開く新しい世界、蛋白質の立体構造変化と揺らぎを鋭敏に観測" 化学と生物. 第36巻7号. 423-425 (1998)