1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10157216
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
月向 邦彦 広島大学, 理学部, 教授 (10023467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大前 英司 広島大学, 理学部, 助手 (30284152)
片柳 克夫 広島大学, 理学部, 助教授 (20291479)
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Keywords | 蛋白質 / 分子内キャビティー / ゆらぎ発現機構 / 圧縮率 |
Research Abstract |
大腸菌ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)をモデル蛋白質として、その部分比容(v)と断熱圧縮率(β_s)に及ぼす構造因子を詳細に解析し、ゆらぎの視点から立体構造構築原理を考察した。DHFRのvとβ_sの温度依存性は他の球状蛋白質に比べて2〜3倍大きく、CDや蛍光スペクトルの温度依存性と相関が見られた。このことは、DHFRは天然状態においてすでにモルテングロビュール状態にあり、そのキャビティーは温度の上昇により容易に膨張することを示している(論文投稿中)。天然状態のDHFRと各種リガンド複合体のβ_sはX線構造から得られたキャビティー量と良い相関があり、キャビティーがゆらぎの発現に重要な役割を演じていることがわかった(論文作成中)。3つのフレキシブルループに位置するGly67,Gly121,Ala145を種々のアミノ酸に置換したところ、vとβ_sは大きく変化することを見出した。67位変異体G67A,G67V,G67LのX線構造解析の結果、67位のループの温度因子が変化するだけでなく、他のループの温度因子も変化しており、分子内キャビティーの数・体積も圧縮率変化に対応して変化することがわかった(論文作成中)。これらの結果は、僅かの熱エネルギーやリガンド結合、アミノ酸置換による局所構造の違いが、分子全体の構造のゆらぎに影響を及ぼしていること、また、分子内キャビティーが構造のゆらぎに重要な役割を演じていることを示している。このことから、圧縮率は蛋白質の立体構造を敏感に反映しており、圧縮率データとX線構造解析やアミノ酸置換などの微視的解析手段とを併用することにより、立体構造構築原理やゆらぎの発現機構の解明に有用な情報が得られることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Eiji Ohmae: "Effects of point mutation at a flexible loop Alanine-145 of Escherichia coli dihydrofelate reductase on the stability and function" J.Biochem.123. 839-846 (1998)
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[Publications] Eiji Ohmae: "Nonadbitive effects of double mutations at the tlexible loops,glycine-67 and glycine-121,of Escherichia coli dikydrofolate reductase on its stability and function" J.Biochem.123. 33-41 (1998)
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[Publications] Kunihiko Gekko: "Compressibility and volume changes of lysozyme due to inhibitor binding" Chem.Lett.839-840 (1998)
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[Publications] 月向邦彦: "熱分析ハンドブック" 丸善, 1 (1998)
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[Publications] Kunihiko Gekko: "The Encyclopedia of Molecular Biology" Wiley(印刷中), (1999)