1998 Fiscal Year Annual Research Report
DNA結合蛋白質の機能性cavityと立体構造安定性
Project/Area Number |
10157231
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
皿井 明倫 理化学研究所, ジーンバンク室, 副主任研究員 (20221286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 一博 神奈川科学技術アカデミー, 緒方「タンパク機能制御」プロジェクト, 研究室長(研究職) (90260330)
斎藤 稔 弘前大学, 理工学部, 教授
森井 尚之 生命工学工業技術研究所, 分子機能, 主任研究官
GROMIHA Mich 理化学研究所, ジーンバンク室, 奨励研究員
河野 秀俊 理化学研究所, ジーンバンク室, 基礎科学特別研究員 (40291918)
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Keywords | 構造安定性 / cavity / DNA結合蛋白質 |
Research Abstract |
がん遺伝子産物c-Myb蛋白質のDNA結合ドメインは3つの相同な繰り返し構造(RLR2、R3)からなる。これらのうち、R2の疎水性コアにはcavityが存在し、不安定であるが、このことが転写活性などの機能に重要な役割を果たしている。本研究では、R2のcavity近傍の103位のValを各種の天然及び非天然アミノ酸に系統的に置換した兇変異体を化学合成し、その熱力学的性質を変性実験により解析した。アミノ酸置換によりR2の安定性は大きく変化した。また、側鎖の体積と転移の自由エネルギー変化(ΔΔG)は、p位非分岐アミノ酸では凸型の相関を示すが、p位分岐のものは非分岐の同体積のものよりも不安定であった。これは、分光学的検討から、p位分岐アミノ酸によるタンパク質内部での立体障害が原因と考えられた。一方、アミノ酸置換による安定性変化のメカニズムを原子レベルで明らかにするため、分子動力学計算とX線による構造解析を行った。分子動力学計算では、アミノ酸置換に伴う立体構造のΔΔGを求めた。実験では通常、天然状態と変性状態のΔΔGしか測定できないが、計算機シミュレーションでは各状態でのアミノ酸置換によるΔΔGを求めることができる。計算で得られたΔΔGは実験値と非常に良い一致をみた(相関係数0.98)。また、計算で求められたcavity sizcの変化(ΔV)は構造解析で得られたものと良く一致した。さらに計算で得られた天然状態と変性状態のΔGをΔΔGおよびAVと比較したところ、天然状態のΔGとは良く相関したが変性状態のΔGとはあまり相関しないことがわかった。このことは、cavity sizcの変化を伴うアミノ酸置換による安定性変化は主に天然状態の自由エネルギーで決められることを示唆した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Uedaira, et al.: "Multi-state Thermal Transitions of Proteins-DNA-Binding Domain of the c-Myb Oncoprotein" Pure Appl.Chem.70. 671-676 (1998)
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[Publications] H.Kono, et al.: "Stability analysis for the cavity filling mutations of Myb DNA-binding domain by molecular dynamics simulations" RIKEN Review. 19. 128-129 (1998)
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[Publications] M.Gromiha, et al.: "ProTherm:Thermodynamic Database for Proteins and Mutants" Nucleic Acids Res.27. 286-288 (1999)
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[Publications] T.H.Tahirov, et al.: "Crystallization and preliminary X-ray analysis of wild type and V103L mutant of Myb R2 DNA-binding domain" Acta Cryst.D.(印刷中). (1999)