1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10159205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊池 淑子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00138124)
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Keywords | 出芽酵母 / ユビキチンライゲース / ストレス応答 / A-キナーゼ |
Research Abstract |
出芽酵母温度感受性変異株tomlは高温下におくと細胞周期G2/M期で増殖を停止し、膨潤した核内に核小体が断片化するなど、構造異常を引き起こし、mRNAの核外輸送も阻害される。TOM1は分子量370KdのC末端にHect-ドメインを持つユビキチンライゲースをコードすると予想された。tom1変異株の詳細な表現型の解析、復帰変異株の単離、標的タンパクの検索、サプレッサーの解析、Tom1と直接相互作用する因子の検索により、Tom1によるタンパク質のユビキチン化/分解という局面から核構造と機能について分子レベルで解析することを目的とした。 Tom1のHect-ドメインを過剰発現すると、Hect-ドメインを欠失したtom1-2の温度感受性を相補できる。野生型株にHect-ドメインを過剰発現させ、安定なモノユビキチン化タンパク結合体を形成する変異型ユビキチンを一時的に発現させたところ、数種類のユビキチン化タンパク結合体が検出された。また、これら結合体の形成はユビキチンとチオエステル結合すると予想されるHect-ドメインのシステイン残基に依存していた。従って、Tom1はユビキチンライゲースであると考えられる。また、ストレス応答について調べたところ、高温シフト後、Msn2/Msn4転写因子、STRE-エレメントを介するストレス応答の誘導が約40%であった。さらにMSN2はtom1-2のマルチコピーサプレッサーであった。tom1-2温度感受性の復帰変異として、A-キナーゼ経路の変異を単離しているが、A-キナーゼはMsn2/Msn4転写因子の核移行に負に働くことが報告されている。従って、tom1-2の温度感受性はMsn2/Msn4転写因子による発現を介して抑圧されると示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yashiroda,et al.: "The PY-motif of Bul protein is essential for growth of Saccharomyces cerevisiae under various stress conditions." Gene. 225. 39-46 (1998)
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[Publications] Hoshino,et al.: "Molecular cloning of a novel member of the eukaryotic polypeptide chain-releasing factors(eRF)." J.Biol.Chem.273. 22254-22259 (1998)