1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10163224
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
酒井 宏明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (00272162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月原 富武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
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Keywords | プロテアソーム / X線結晶解析 |
Research Abstract |
ウシ肝臓より精製・結晶化した20Sプロテアソームの結晶を数多く液体窒素中に凍結保存し、シンクロトロン放射光にて回折強度データの収集を試みた。分解能2.5Å以上の回折像を示す結晶もあったが、100Kの低温下においてもX線ダメージにより全非対称領域を満足するデータの収集を一つの結晶から行うことはできなかった。そこで、複数の結晶を用いてデータを部分的に収集し統合することにより、分解能3.3Å、収率約80%でRmerge11.6%の回折強度データとした。そのデータを用いて分子量換法により構造解析を行った。その統合されたデータから初期的な電子密度図を得ることは出来たが、データの精度の悪さからアミノ酸の側鎖の電子密度等、まだ決定できないところが多く、構造解析は途中段階である。結晶は、格子定数a=122Å,b=193Å,c:320Åで、空間群がP212121であった。 また、さらに高分解能で質の高いデータを一つの結晶から収集しようと試みたところ、単位格子の大きい結晶があることが明らかになった。その結晶は前述した結晶の一軸の長さが三倍になったような形状で、格子定数a=203Å,b=320Å,c=360Å、空間群P212121であった。この結晶は、回折に異方性があり、高分解能の回折をする方向と、あまり回折を起こさない方向とがあった。結局分解能4.3Å、収率96,1%、Rmerge11.9%のデータを一つの結晶から集め、自己相関関数の計算により、非結晶学的2回軸が非結晶学的3回軸で関係づけられる位置に存在していることが明らかになったが、構造解析には到っていない。
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