1998 Fiscal Year Annual Research Report
PETによる高次体性感覚機能に対する主観的注意の機能解剖研究
Project/Area Number |
10164206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (90250828)
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Keywords | 神経科学 / ヒト / 脳 / 血流 / ポジトロンCT / 道具使用 / 頭頂間溝皮質 |
Research Abstract |
視覚的に提示された物体を道具を用いて把握するときのヒトの脳活動を検討した。正常右利き若年男子8名を対象とした。全員書面による同意書に署名をした。実験では被験者の胸の上方に30cm四方のボードを設置した。このボード上には、右下の角からボードの下面に対して30度と60度をなす2種類の平行線が引かれている。被験者の右手に実験中常に火ばしを保持させた。被験者はポジトロンCT撮像中に次の4つの課題を行った。1)コントロール課題:被験者に火ばしを保持したまま運動を行わず、ボードの中央を見つめているよう指示した。2)ポイント課題:被験者に30度と60度の平行線領域を交互に右手の人さし指で触るよう指示した。3)把握課題:被験者に、30度と60度の平行線領域のどちらかに置かれた発砲スチロール製の円柱を右手の人さし指と親指で摘み、もう一方の領域内に交互に置くように指示した。4)道具課題:被験者に、30度と60度の平行線領域のどちらかに置かれた発砲スチロール製の円柱を右手に保持した火ばしで摘み、もう一方の領域内に置くように指示した。ポジトロンCT装置はと酸素15標識水を使用して局所脳血流画像を撮像した。各被験者の脳血流画像は各被験者の脳MRI画像をもとにして、流体画像変型システムを用いて解剖学的標準化を行い、その後、SPM96を用いて統計的に有意な血流増加を示した領野を同定した。コントロール課題と比較して、各運動課題では、左頭頂連合野・左一次運動感覚野・左被殻・右前頭前野・右上側頭回・帯状回などの領域の賦活が認められた。把握課題および道具課題では、これらの領域に加えて、左半球頭頂溝領域と後帯状回領域に有意な活動が認められた。この活動はポイント課題と比較しても有意であった。大脳右半球の頭頂間溝には道具課題遂行時にのみ有意な活動を示す領域が観察された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawashima R: "A positron emission tomography study of self-paced finger movements at different frequencies" Neuroscience. in press. (1999)
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[Publications] Kawashima R: "The human amygdala plays an important role in gaze monitoring - A PET study -" Brain. in press. (1999)
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[Publications] Kawashima R: "Oculomotor sequence learning:A positron emission tomography study" Exp Brain Res. 122. 1-8 (1998)
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[Publications] Kawashima R: "Regional cerebral blood flow changes in human brain related to ipsilateral and contralateral complex hand movements -a PET study-" Eur J Neurosci. 7. 2254-2260 (1998)
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[Publications] Kawashima R: "The role of the left inferior temporal cortex for visual pattern discrimination -A PET study-" Neuroreport. 9. 1581-1586 (1998)
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[Publications] Inoue K: "A PET study of pointing with visual feedback of moving hands" J Neurophysiol. 79. 117-125 (1998)