1998 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質錐体細胞棘突起へのシナプス入力の3次元再構築による考察
Project/Area Number |
10164249
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
窪田 芳之 理化学研究所, 運動回路網研究チーム, フロンティア研究員 (90192567)
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Keywords | 大脳皮質 / 非錐体細胞 / GABA / シナプス / 3次元再構築 / ダブルブーケ細胞 / 局所神経回路 / 微細構造 |
Research Abstract |
私は、従来より、脳の内部にある演算処理のための最小単位と考えられる局所神経回路に興味を持ち、それがどのような構造をしているのか?どう働くのか?を理解したく、大脳皮質前頭野の局所神経回路の解析を行ってきた。その結果、大脳新皮質では、介在細胞である非錐体細胞は、生理的に少なくとも4種類(FSce11,LScell,BSNP cell,RSNPcell)のサブグループより構成され、それぞれ固有の形態的特徴(バスケット細胞、シャンデリア細胞等、ゴルジ法ですでに報告されている形態)を持ち、含有する化学物質にも違いがみとめられることを認めた。 大脳新皮質のこれらの非錐体細胞に関して、現在、各サブグループ別に形態的に出力がどのように異なるのかという点に絞り、電子顕微鏡連続切片像3次元再構築画像解析システムを使ってシナブスの構造に関する解析を始めた。 <方法>ラットを麻酔の後、脳を取り出し、マイクロスライサーで大脳前頭皮質のスライスを作成した。ホールセル記録をとり、バイオサイチンを電極を通じてその神経細胞に注入した後、スライスを固定した。次に、DAB染色を施し注入神経細胞を茶色く染色し、電子顕微鏡観察用に包埋し、染色された神経細胞の形態を光学顕微鏡で観察記録した。この細胞の軸索部分を切り出し、電子顕微鏡で観察し、注入細胞の神経終末が形成するシナプスを同定後、高解像度CCDカメラで撮影した連続切片の画像を3次元画像再構築画像解析システムで処理し、前・後シナプス要素を含んだ3次元像を再構築し形態的に解析を行った。 <結果>非錐体細胞のサブグループの中から、軸索を白質方向に伸ばすダブルブーケ細胞をまず解析の対象とし検討を重ねた。結果、ダブルブーケ細胞の軸索終末のターゲットの多くは、錐体細胞の棘突起であることが観察された。
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Research Products
(1 results)