1998 Fiscal Year Annual Research Report
免疫抑制物質ISP-1の作用機構に関わるシグナル伝達経路に関する研究
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10169234
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小堤 保則 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (70205425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学研究科, 教授 (50025706)
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Keywords | 酵母 / 免疫抑制剤 / cDNAライブラリー / キナーゼ / スフィンゴ脂質 / シグナル伝達 / ISP-1 / アポトーシス |
Research Abstract |
免疫抑制物質ISP-1は、冬虫夏草の一種、Isaria sinclairii菌の培養濾液より単離されたスフィンゴシン様構造を持つ物質である。これまでの研究により、ISP-1はマウス由来のIL-2依存性細胞障害性T細胞株CTLL-2細胞に対してアポトーシスを誘導することが明らかにされている。さらに、このアポトーシスの誘導は、スフィンゴ脂質生合成経路の最初の反応を触媒する酵素、セリンパルミトイルトランスフェラーゼの活性を抑制することによる細胞内のスフィンゴ脂質の減少によって引き起こされることが示されている。この細胞内のスフィンゴ脂質の減少による細胞死のメカニズムを明らかにするために、より単純な真核細胞である酵母を用いて、ISP-1の影響について検討を加えた。さらに、酵母の系を利用して、ISP-1による細胞死のシグナルに関与する遺伝子の単離を試みた。酵母の遺伝子をマルチコピーベクターに組み込んだDNAライブラリーを用い、ISP-1存在下で、このDNAライブラリーを酵母にトランスフェクションすることにより、ISP-1耐性コロニーを得た。得られたコロニーから導入されたプラスミドを単離し、一次配列を決定することにより、4個の遺伝子を得ることが出来た。これらの遺伝子をSLI1-4(Sphingosine-Like Immunosupprcssant resistantgene)と呼ぶことにした。このうちSLI-2遺伝子は分子量76kDの可溶性タンパク質をコードしていた。このタンパク質は、分子内にセリンスレオニンキナーゼドメインを有していた。現在までのところ、SLI-2遺伝子産物のキナーゼ活性を測定系は確立していないが、キナーゼ活性がISP-1耐性作用に必要であるか否かを検討するために、キナーゼドメインのATP結合部位に必須のリジン残基をアラニンあるいはアルギニンに変えた変異体を作製し、ISP-1耐性を調べたところ、これらの変異体にはISP-1耐性が見出せなかったことから、キナーゼ活性がISP-1耐性に必須であることが明らかとなった。次に、GFPとの融合タンパク質を発現させてその細胞内局在を調べたところ、ほとんどが細胞質に存在していた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] E.Schmelz他5名: "Induction of apoptosis by fumonisin B1 in HT29 cells is mediated by theaccumulation of endogenous free sphingoid bases" Toxicol.Appl.Pharmacol.148(1). 252-260 (1998)
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[Publications] A.Irie他5名: "The Molecular Basis for the Absence of N-GlycolyIneuraminic Acid in Humans" J.Biol.Chem.273(25). 5866-15871 (1998)
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[Publications] 山地俊之他2名: "免疫抑制剤ISP-1の作用機構" 蛋白質核酸酵素. 43(16). 2503-2509 (1998)
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[Publications] Y.Ma他5名: "Antitumor activity of mannan-binding protein in vivo as revealed by a virus expression system: Mannan-binding proteindependent cell-mediated cytotoxicity" Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.96(2). 371-375 (1999)