1998 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスの移行タンパク質を手がかりとした原形質連絡の機能解析
Project/Area Number |
10182210
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 雄一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60183125)
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Keywords | タバコモザイクウイルス / 移行タンパク質 / 原形質連絡 / 細胞間移行 |
Research Abstract |
植物の組織を構成している細胞は、原形質連絡(plasmodesmata;以下 PD)を通じてシンプラスト系をなしている。PDは800以下の分子量の分子・物質の流通を妨げない。多くの代謝産物は PDを介してシンク・ソース組織・器官の間もシンプラストによって連続している。我々が扱ってきたタバコモザイクウイルス(TMV)の移行タンパク質(MP)は、PDを介して周囲の細胞にウイルスのゲノムRNAとともに移行する能力のあることが示された。このように特定のタンパク質にとってPDを介して周囲の細胞へと広がることが機能と密接に関連する可能性がある。MP:GFP(移行タンパク質とGFPのタンパク質の融合タンパク質)を発現する人工ΥMV、LQwt:G fusが完成できたおかげで、GFPの蛍光をたよりに生きている状態でPDが観察できるようになった。そこで非常に有用なツールを獲得した利点を活かし、MPの機能している状態を細胞学的にとらえ、また MPを一種マーカーのように用いてそのPDの構造を解析することを目的とした。並行して、MPのアミノ酸配列264残基のうちC末端31アミノ酸残基を欠失したMP:GFPを発現するウイルスLQD233:Gfusが細胞間移行できること、さらにその機能するC末端の欠失をもったMPが長くPDに存在することが明らかになった。本年度の途中からLQD233:G fusを用いるように切り替えた。現在、セルラーゼなどで処理し、穏和にPDを遊離させる条件を検討中。古典的な生化学的手法にて蛍光を発する分画=PD分画の精製を時間をかけておこない、そこに存在する特異的なタンパク質を単離する。MP:GFP分子の上を精製したチューブリン、アクチンがスライドしていくか、ATPase活性をあわせて機能解析をしたが、現在までのところ確認されていない。今後第3の因子を加えるなどして、動きに関与する因子を生化学的に追求する。
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[Publications] S.Tsuda: "Characterization of a pepper mild mottle tobamovirus strain capable of overcoming the L^3 gene-mediated resistance." Mol.Plant-Microbe Interact.11. 327-331 (1998)
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[Publications] S.Tsuda: "Application of the human hepatitis B virus core antigen from transgenic tobacco plants for serological diagnosis" Vox Sanguinis. 74. 148-155 (1998)