1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10182215
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 卓史 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80202498)
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Keywords | シロイヌナズナ / 表層細胞 / 細胞形態 / GL2 / ATHB-10 / 転写調節 / CDC2 / 誘導系 |
Research Abstract |
細胞周期の調節機構を通して植物メリステムの形成、維持および植物形態形成の制御機構を理解するために、シロイヌナズナの細胞周期制御に係わる蛋白質リン酸化酵素遺伝子CDC2aおよび細胞形態形成に関与するホメオドメイン蛋白質遺伝子ATHB-10/GL2の発現および機能に関する解析を行った。 CDC2aプロモーターのcis因子の解析を行うために、S1マッピング法およびプライマーエクステンション法を用いて転写開始点を決定した。その結果、染色体DNA上の翻訳開始点上流680bpの位置から転写が始まることが判った。次に翻訳開始上流の種々の領域を取り出し、それらにGUSコード領域をつないだレポーター遺伝子を作成し、形質転換シロイヌナズナにおいてそれら領域のプロモーター活性を調べた。その結果、翻訳開始点上流1.3Kbpおよび2.0Kbpを含む断片を用いた場合、根端分裂組織、茎頂分裂組織、展開中の葉など細胞分裂が盛んに行われている組織の他、形成途中のトライコームにおいてもプロモーター活性が見い出された。それに対して転写開始点上流0.6Kbpおよびl.3Kbpの断片では、形成途中のトライコームおよび展開中の葉のリムにおいてのみプロモーター活性が見られた。このことは、CDC2aが細胞分裂を伴わないトライコームの形成過程においても発現していること、分裂細胞における発現には転写開始点下流非翻訳領域が必要であること、転写開始点上流域にはトライコームの形成時に働くcis因子が存在することを示している。 35Sプロモーターの下流にATHB-10/GL2のコード領域をつないだ遺伝子を作製し、形質転換シロイヌナズナに導入したが、トライコームを含む表層細胞の形態に変化は観察されなかった。一方、35Sプロモーターの下流にATHB-10/GL2をanti-sense方向につないだ遺伝子を導入した形質転換シロイヌナズナの一部のラインではgl2突然変異と同様の形態変化が見られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Liang et al.: "Structural characterization of the virB operon on the hairy-root-inducing plasmid A4." DNA Res.5. 87-93 (1998)
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[Publications] Sakai et al.: "Two-component response regulators from Arabidopsis thaliana contain a putative DNA-binding motif." Plant Cell Physiol.39. 1232-1239 (1998)
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[Publications] Reynolds et al.: "Inducible Gene Expession in Plants" CAB International(Wallingford), 300 (1999)