2000 Fiscal Year Annual Research Report
アジア太平洋地域の構造変動における米国の位置と役割に関する総合的研究
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10201201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
油井 大三郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科・附属アメリカ太平洋地域研究センター, 教授 (50062021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 泰生 東京大学, 大学院・総合文化研究科・附属アメリカ太平洋地域研究センター, 助教授 (50194048)
橋本 毅彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (90237941)
児玉 文雄 東京大学, 先端経済工学研究センター, 教授 (20016538)
中野 聡 一橋大学, 社会学部, 助教授 (00227852)
矢口 祐人 東京大学, 大学院・総合文化研究科・附属アメリカ太平洋地域研究センター, 助教授 (00271700)
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Keywords | アメリカ合衆国 / アジア太平洋 / 構造変動 / APEC / 地域統合 |
Research Abstract |
研究実績の概要 この科研プロジェクトは元来は5年計画で進めているが、本年は第3年目の中間まとめにあたっていたため、(A)国際シンポジウムの開催、(B)国内外の太平洋地域研究センター実態調査のまとめ、(C)米国政府・議会のアジア太平洋政策関連資料の収集とデータベース化を中心に活動した。まず、(A)では、「21世紀のアメリカとアジア太平洋地域-摩擦から共生へ-」と題した国際会議を平成12年9月30日から10月1日に開催した。そこでは米国と太平洋地域の文化、学術、政治・安全保障、情報社会、経済・環境の各側面について5部会に分かれて、日・米・加・豪・韓にまたがる報告者16名、コメンテーター7名による活発な報告と討論が展開された。現在、英文の議事録を編集中である。(B)については、近年活発になっている太平洋地域に関する研究を行っている内外の研究センター約60機関を訪問調査し、国や地域による関心や接近法の違いを明らかにした。その結果、太平洋といっても、環太平洋全域、西太平洋、太平洋島嶼地域といった形で対象にズレがあるだけでなく、言語や文化の差に注目した人文科学的アプローチと経済や安全保障に関心をもつ政策科学的アプローチとの差があることが判明した。この報告書については、現在、日英両語で作成中である。(C)については、米国政府や議会によるアジア太平洋地域政策に関する資料をマイクロフィルムで収集し、その要旨など約千点をデータベース化して、一般公開できるように整備中である。 その他平成13年2月4日に全体研究会議を開催し、各計画研究班を超えた研究の促進に努力したが、第4-5年度には最終年度における成果の出版を念頭において、「グローバリゼーションとローカル・アイデンティティ」や「貿易自由化と環境保護」など一層班を超えた対話を促進できるテーマを設定して、相互の関連づけを強化してゆく計画である。
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Research Products
(21 results)
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[Publications] Daizaburo Yui: "The Organizer's Remark on "Changing Approaches to the Pacific World""The 19^<th> International Congress of Hisbrical Sciencies, University of Oslo. August. (2000)
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[Publications] Daizaburo Yui: "The Present and the Future of Pacific Studies""Competing Visions of the Pacific : the US and Asia in the 21^<st> Century" Proceedings of the International Symposium, September 30,2000. March. (2001)
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[Publications] 橋本毅彦: "マレーシアと中国における文化政策と科学技術政策"『アジア諸国における文化政策の変容と展開』科研費報告書(研究代表者青木保). 84-91 (2000)
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[Publications] 遠藤泰生: "「パシフィック・ディアスポラ:太平洋地域におけるヒトと文化の越境」"東京大学教養学部『教養学部報』. 第436号. 6-7 (2000)
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[Publications] 遠藤泰生: "太平洋地域研究をめぐる大学間協力の可能性-タマサート大学・チュラロンコン大学・インドネシア大学"文部省科学研究費補助金特定領域(B)・ニューズレター. 第2巻第2号. 38-42 (2000)
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[Publications] Yasuo Endo: "Japan's Self Portrait Reflected in the Pacific Ocean""Competing Visions of the Pacific : the US and Asia in the 21^<st> Century" Proceedings of the International Symposium, September 30,2000. March. (2001)
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[Publications] 矢口祐人: "弁当からミックス・ランチヘ? 博物館とハワイ日系移民史の表象"地域研究論集(JCAS Review). Vol.3 No.1. 59-73 (2000)
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[Publications] 矢口祐人: "ピクチャーブライドのポリティクス"立教アメリカンスタディーズ. Vol.22. 117-143 (2000)
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[Publications] NAKANO Satoshi: "Nation, Nationalism and Citizenship in the Filipino World War II Veterans Equity Movement, 1945-1999"Hitotsubashi Journal of Social Studies. Vol.32 No.2. 33-53 (2000)
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[Publications] 中野聡: "国際関係史の課題と方法-20世紀米比日関係史の視角"一橋論叢. 第123巻第4号. 97-113 (2000)
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[Publications] 寺地功次: "Democracy, Elections and Internal Security : U.S. Policy toward Laos in the Late 1950s"JCAS Occasional Paper (the Japan Center for Area Studies, National Museum of Ethnology). No.11. 35-59 (2001)
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[Publications] 油井大三郎: "「トルーマン・ドクトリンと冷戦の開始」(富田虎男ほか編『アメリカの歴史を知るための60章』)"明石書店. 195-198 (2000)
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[Publications] 児玉文雄: "「日本学術振興会・先端技術と国際環境第149委員会・活動の歴史1984-2000」"日本学術振興会. 139 (2000)
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[Publications] 児玉文維: "「デジタル産業革命」(立花隆編集:『新世紀デジタル講義』、第4章)"新潮社. 195-223 (2000)
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[Publications] 児玉文雄: "「産業創出と技術進化」(佐藤純一,児玉文雄共著『社会・技術相関』)"岩波書店. 83-172 (2000)
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[Publications] 児玉文雄: "新規事業創出戦略(児玉文雄,玄場公規共著)"生産性出版. 193 (2000)
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[Publications] 橋本毅彦: "「コンピューターの歴史」(立花隆ほか著『新世紀デジタル講義』分担執筆)"新潮社. 143-193 (2000)
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[Publications] 中野聡: "日本占領期-『トモダチ』の圧制(寺田勇文,大野拓司編著『現代フィリピンを知るための60章』)"明石書店. 47-50 (2000)
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[Publications] 中野聡: "「アメリカが語る民主主義-その普遍性、特異性、相互浸透性-」大津留(北川)智恵子,大芝亮 編:『民主主義と他者認識:選挙制度をめぐる米比関係史に関する試論』"ミネルヴァ書房. 239-267 (2000)
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[Publications] 寺地功次: "「世紀の区切り-共立女子大学・共立女子短期大学公開講座-」(共著:『二十世紀の国際関係とアメリカ的民主主義』)"明現社. 77-103 (2000)
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[Publications] 寺地功次: "「アメリカが語る民主主義-その普遍性、特異性、相互浸透性-」大津留(北川)智恵子,大芝亮 編:『民主主義、選挙と国内的安全保障-1950年代のラオス選挙とアメリカ-』"ミネルヴァ書房. 127-152 (2000)