人文社会科学のための空間情報科学の体系化

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10202201
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 岡部 篤行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10114050)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 泉 拓良 奈良大学, 文学部, 教授 (30108964) ; 高阪 宏行 日本大学, 文理学部, 教授 (60092516) ; 金本 良嗣 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00134198) ; 貞広 幸雄 東京大学, 空間情報科学研究センター, 助教授 (10240722) ; 柴崎 亮介 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (70206126)
• Keywords: 空間情報科学 / 空間データ基盤 / メタデータ / クリアリングハウス / 地理情報システム / 空間解析

Research Abstract

当研究の大きな目標は、(1)人文社会科学、とりわけ経済・経営学、人文地理学、考古学で個別に培われてきた素朴な地理的データの収集、管理、分析方法を体系化して「空間情報科学」なる学問を創生すること、(2)空間情報科学に関連する研究を支援する共同利用の「空間データ基盤システム」の開発研究を行い、それを整備すること、である。この目的を6年間で達成すべく、6年間を3期に分けて研究計画を立てている。第1期(平成10,11年度)は、主に空間データの整備、第二期(平成12,13年度)は、空間データ基盤システムの実用的稼働と、個別分野の空間的手法の整理を目標にした。この目標のもとで行った平成12年度の研究成果は、以下の5つにまとめられる。
第1に、都市経済学で長年の課題であった都市圏の確定法を開発し、広く研究者が共通に使うことのできる都市圏単位の空間データの整備を行った。
第2に、インターネット地理情報システムを開発し、多くの研究者が使える研究ツールを開発した。
第3に歴史的地図から人口データを作成するシステムを開発し、関東地区で実際に明治期の人口分布を復元して歴史的に空白となっていたデータを公表した。
第4に、遺跡調査用3次元データ取得システムを開発し、ティール遺跡で実際に使用して遺跡調査で大きな成果を挙げた。
第5に、各班で作った空間データのメタデータを研究者がインターネットで検索できるクリアリングハウスを稼働し、実用上の問題を検討して、使い勝手のよいシステムに改良した。現在、このクリアリングハウスはオンラインで多くの研究者が利用できる。
以上の詳細は、http://okabe.t.u-tokyo.ac.jp/SISforHSS/index.htmlを参照されたい。