2003 Fiscal Year Annual Research Report
人文地理学における空間データの構築、管理、分析手法の開発とその適用
Project/Area Number |
10202205
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高阪 宏行 日本大学, 文理学部, 教授 (60092516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 司朗 国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 研究員
関根 智子 日本大学, 文理学部, 助手 (90297763)
荒井 良雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50134408)
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Keywords | 近接性 / 最短経路探索 / 立地評価 / 評価精度 / メッシュ人口データベース / 明治期 / 昭和初期 / 人口分布変動 |
Research Abstract |
千葉県松戸市における眼科医院を研究事例とし、町丁・字の中心から医院への最短経路距離を測定し、全居住地区を近接性の側面から評価した。さらに、基準メッシュを縦横10等分した100mメッシュを作成し、その中心点から同様に近接性を測定し評価した。100mメッシュに比べ居住地区レベルで近接性の測定を行うと、3割から4割程度のメッシュで近接性の評価が異なることが明らかとなり、居住地区レベルでの近接性の評価精度を検証することができた。また、近接性の評価精度を表現するための表現法を探った。さらに、大都市における車による近接性を測定する場合、河川などの自然条件のほかに、車が通行できない狭小な道路、一方通行、信号などの存在とともに、渋滞の発生や自動車専用道路などにより交通条件が大幅に複雑化している。このような特徴を持つ大都市の道路網に対し、GIS上で最短経路探索から近接性を測定する方法についても検討を行った。 都市の時空間構造の分析では、昨年度完成させた関東地方全域を対象範囲とする明治期以降のメッシュ人口データベースを用いた分析を進めた。1890年〜2000年の110年間の4時点をカバーするメッシュ人口データから、各期間の人口密度変化の空間パターンを分析したところ、1890年〜1930年には東京都心から10kmほどの範囲での人口増加が激しいこと、1930年〜1970年では、東京都心直近の地域ではむしろ密度が低下し,ドーナッツ現象がこの間に進行したことが判明した。さらに、主要鉄道沿線について人口密度縦断面分析を行ったところ、1890年から1930年の間に、中心地体系が道路を基礎とするものから鉄道を基礎とするものに変化したことが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 高阪宏行: "地理情報システムを用いた高精度顧客予測"科学と工業. 77・8. 405-412 (2003)
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[Publications] Arai Y., Koike S.: "Grid-based population distribution estimates from historical Japanese topographical maps using GIS."Modeling Geographical Systems : Statistical and Computational Applications. In Boots B., et al., (eds.). Kluwer. 235-250 (2003)
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[Publications] 関根智子: "近接性の時空間的安定度の分析-千葉県松戸市の眼科医院を事例として-"地理学評論. 76・10. 725-742 (2003)