1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10203204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 信雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90142687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生井澤 寛 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10012486)
矢野 英雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70231652)
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Keywords | ヘリウム / 強相関フェルミ液体 / 量子相転移 / 超流動転移 / メソ多孔体 / 低次元量子液体 / 素励起 / MI転移 |
Research Abstract |
これまでの研究から2次元的吸着面を持つヘクトライト、および直径約20Aの真っ直ぐにのびた1次元トンネル中の4Heおよび3Heの吸着状態や低次元量子流体を調べてきた。 ヘクトライト上4Heについては24.5μmol/m^2以上の吸着密度で超流動層が作られることを明らかにした。さらに超流動層の素励起スペクトルの密度依存を比熱から求め、それがハードコア直径が4-6Aの2次元ボース粒子系として理解されることを示した。ヘクトライトを24.7μmol/m^2の4Heで前もって覆ってその上に吸着した3Heについては、密度を増やすにしたがって、局在-2次元フェルミ液体への量子相転移の可能性を指摘した。更に2次元フェルミ液体は、比熱の特徴的な温度依存が2次元特有のスピン相関に起因する事をRPA理論計算との比較から明らかにした。また同時に密度ゆらぎに起因する有効質量の増加が10倍以上に達することも観測しバルク液体よりも邊かに大きな強相関2次元フェルミ液体が実現したことを報告した。 直径18Aの1次元メゾ多孔体中4Heについては、低温比熱およびねじれ振り子測定を行い、吸着4Heの運動状態を明らかにした,この内超流動転移温度は、同じ吸着量でひかくすると2次元の場合に比べて14-17倍の高温で転移する事などを見出した。 1次元ボース粒子系の厳密解との比較を行っている。ヘクトライトにおける2次元ヘリウムについては、超音波測定で吸着ヘリウム原子のナノ摩擦などの動的振る舞いを調べている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Wada, H.Yano, M.Ogura, H.Namaizawa and Y.Karaki: "Influence of spin fluctuations upon heat capacity of 2D Fermi liquid formed on Hectonte" J.Low Temp.Phys.110. 357-362 (1998)
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[Publications] H.Yano, S.Yoshizaki, S.Inagaki, Y.Fukushima and N.Wada: "“Observation of superfluid ^4He adsorbed in one-dimensional mesopores"" J.Low Temp.Phys.110. 573-578 (1998)
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[Publications] 和田信雄: "“多孔体中のヘリウム-低次元・強相関の量子流体-"" 日本物理学会誌. 53. 485-490 (1998)
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[Publications] N.Wada, Y.Karaki, and H.Yano: "“Localization-Fermi liquid transtion of ^3He adsorbed on ^4He coated hectorite"" J.Low Temp.Phys.113. 317-322 (1998)
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[Publications] M.Hieda, M.Suzuki, K.Torii, H.Yano, and N.Wada: "“Decoupling of He Films Adsorbed on Two-dimensional Mesoporous Hectorite"" J.Low Temp.Phys.113. 363-368 (1998)