1999 Fiscal Year Annual Research Report
半導体界面の2次元電子系における磁性と金属・絶縁体転移
Project/Area Number |
10203210
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
岡本 徹 学習院大学, 理学部, 助手 (60245371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川路 紳治 学習院大学, 理学部, 教授 (00080440)
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Keywords | 2次元電子系 / 金属・絶縁体転移 |
Research Abstract |
1. 昨年度のSi-MOSFET(シリコン電界効果型トランジスター)の金属・絶縁体転移に関する測定(平成10年度研究実績報告書参照)を詳細に解析して、雑誌論文として研究発表(Phys. Rev. Lett. 82(1999)3875)を行った. 2. 昨年度末に納入された9テスラ超伝導マグネットシステムおよび真空蒸着装置のセットアップを行い、すでに運転を始めた. 3. これまで、磁気抵抗効果の測定は、主として、2次元面と磁場との角度に着目して行われてきたが、今回、2次元面内での磁場方向依存性を調べた. Si-MOSFET試料における磁気抵抗効果の測定では、2次元面に平行に印加された磁場と測定電流との角度に対する依存性は全く見られなかった. このことは、平行磁場に対する抵抗率の変化をスピン効果に帰着させた、これまで行ってきた解析の妥当性を裏付けるものである(他の研究成果と併せて雑誌論文に投稿準備中). 4. Si-MOSFET以外の2次元系に対しても、金属・絶縁体転移の実験を行えるようにするために、FET試料を自作するプロセスを確立した. これまで、行っていたショットキー障壁を用いる方法では、わずかではあるがリーク電流が生じるケースが頻繁にあったので、絶縁体(酸化シリコン)をゲート電極と半導体表面との間に挟むことによって、貴重なウェハーを無駄にすることなしに100%に近い碓率でFET試料を作ることができるようになった. これまで、n型GaAs/AlGaAs試料、p型GaAs/ALGaAs試料、n型Si/SiGe試料に対してFETを製作した. 磁場中での金属・絶縁体転移の測定は、平成12年度に行う.
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Research Products
(1 results)