2000 Fiscal Year Annual Research Report
半導体界面の2次元電子系における磁性と金属・絶縁体転移
Project/Area Number |
10203210
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60245371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川路 紳治 学習院大学, 理学部, 教授 (00080440)
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Keywords | 2次元電子系 / 金属・絶縁体転移 / 電子相関 / ウィグナー固体 |
Research Abstract |
平成12年5月の研究代表者の異動(学習院大学理学部より東京大学大学院理学系研究科)に伴い、平成11年度以前に購入した9T超電導磁石の移管、設置、およびヘリウム3冷凍機の製作などを行い、また以下の研究活動を行った. 1.平成10年度、平成11年度に得られた研究成果を、平成12年9月に理化学研究所で行われた日本-イスラエル国際シンポジウム、同年同月に大阪国際会議場で行われた第25回半導体物理国際会議で報告した. 2.GaAs/AlGaAsヘテロ接合界面に形成された2次元電子系試料の上に絶縁膜である酸化シリコンをはさんでゲート電極をつけることにより電子濃度を制御した測定を行った.平成11年度まで行っていた、シリコン2次元電子系と比較して、GaAsの2次元電子系においては、電子相関の効果が小さいことがわかっている.電子濃度を下げることにより、2次元電子系は絶縁化するが、高抵抗領域での抵抗の温度依存性は、シリコン2次元電子系で見られていた活性化型の温度依存性よりも緩やがであり、磁場に対する大きな抵抗の増減も観測されなかった.これらの結果は、シリコン2次元系における絶縁体状態が、GaAs電子系に対して考えられている個々の電子が独立に局在した状態とは大きく異なり、強い電子相関を反映した状態であること示唆しており、研究代表者らが以前より提唱してきたウィグナー固体の磁性モデルを支持する.この結果に関しては、現在、投稿準備中である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Iizuka,S.Kawaji,T.Okamoto: "Collapse of quantized Hall resistance and breakdown of dissipationless state in the integer quantum Hall effect : filling factor dependence"Physica E. 6. 132-135 (2000)
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[Publications] T.Okamoto,K.Hosoya,S.Kawaji,A.Yagi,A.Yutani,Y.Shiraki: "Metal-Insulator transition and Spin Degree of Freedom in Silicon 2D Electron Systems"Physica E. 6. 260-263 (2000)
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[Publications] S.Kawaji,H.Tanaka,H.Kawashima,T.Okamoto: "Collapse of the quantized Hall resistance : Temperature dependence"Proceedings of 25th International Conference on the Physics of Semiconductors. (2001年発表予定).
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[Publications] T.Okamoto and S.Kawaji: "Metal-Insulator transition and magnetoresistance in strongly correlated 2D electron systems"Proceedings of 25th International Conference on the Physics of Semiconductors. (2001年発表予定).