1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10204203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 周司 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00183129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 真司 国立極地研究所, 助手 (30270424)
町田 敏暢 国立環境研究所, 主任研究官 (20260185)
中澤 高清 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30108451)
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Keywords | 氷床コア / フィルン / モデル / 二酸化炭素 / メタン / 一酸化二窒素 / 一酸化炭素 / 同位体 |
Research Abstract |
1.氷床コアからの空気抽出を効率よく行うために、融解法と切削法を採用した小形の試料空気抽出装置を新たに製作した。基本的構造は既に我々が開発・使用しているものと同じであり、氷床コア表面に付着している汚染物質の除去作業を自動化・並列化することによって大気試料の抽出に要する時間を短縮することができるようになった。また、大気試料の回収を効率的に行うために極低温冷凍機を新規購入した。従来試料空気の回収に用いていた液体ヘリウムに比べ取り扱いが格段に簡単になり、試料空気抽出作業の効率が大幅に改善された。 2.二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、一酸化炭素の分析はガスクロマトグラフで行うため、分析時の試料必要量を極力抑えることを目指して、死容積の小さい試料導入装置と試料容器を新たに製作した。 3.空気試料の酸素と窒素の同位体比、酸素濃度の分析は質量分析計を用いて行うが、試料量を減ずるためとこれらの要素を1台の質量分析計で測定するために、試料導入系を新たに製作した。 4.空気抽出から分析までの一連の手順と精度を標準ガス等を用いて確認し、コアの分析が十分な精度で行えることを確認した。なお、二酸化炭素の炭素同位体試料は長期保存が可能であり、集中的に分析する方が効率的であるので、空気試料からの二酸化炭素の精製のみを優先的に行うことにした。 5.フィルンを通した空気のコアへの取り込み過程は大気成分を変質させるので、その時間的変動を正確に推定するためにフィルン内での大気変質過程をモデル化し、測定データから過去の大気の値を正確に推定するための方法を確立した。また、我々の大気物質循環モデルについて、本研究の目的に使用するために必要な改良点の検討を行った。
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