1999 Fiscal Year Annual Research Report
複体理論に基づく離散システムのアルゴリズム論の新展開に関する研究
Project/Area Number |
10205204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 浩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80183010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 真理 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (60282711)
浅井 健一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10262156)
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Keywords | 単体的複体 / 不変多項式 / マトロイド / 離散システム / Grobner基底 / 計算幾何・計算代数 / 最適化 |
Research Abstract |
本年度の研究においては,初年度の研究で成果をあげた結び目・絡み目のJones多項式計算やネットワーク信頼度計算という単体的複体に付随する不変多項式量の計算システムをさらに発展させ,中規模な問題を解くものを実現した.これにより,物理でよく離散化に用いられる格子グラフで,14×14のサイズのものまで厳密に解けることを示した.これは計算量理論より#P完全であることがわかっている問題で,本研究での緩指数時間アルゴリズムの有効性を実証することができた.そして,この枠組みをマトロイドにまで拡張できることを,理論的に示した. さらに,新たに整数計画に関わる単体的複体について研究を進め,計算代数と最適化を融合した境界分野の確立の基礎を固めた.具体的には,整数計画のテスト集合と計算代数のGrobner基底との間の関係に着目し,そこに計算量の概念を持ち込むというものである.計算代数的組合せ論では,従来,斉次の場合が主たる解析の対象であったが,代数的には非斉次な場合となるネットワーク最小費用流の場合で基本の有向グラフに着目し,この場合で成り立つ種々のよい条件をしめし,本手法で新たな枠組みで多項式時間で解ける場合を示した. また,困難問題を解くための新たな計算パラダイムについても調べ,特に量子計算の可能性について,シミュレータを開発してシミュレーションを通しての検討を行った.これは,「アルゴリズム工学」特定領域全体でのアルゴリズムデータベースヘの貢献も目指すものである.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] H. Imai, K. Sekine and K. Imai: "Computational Investigations of All-Terminal Network Reliability via BDDs"IEICE Trans. Fundamentals. E82-A,5. 714-721 (1999)
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[Publications] 今井浩: "離散システム不変多項式と計算位相・幾何"日本数学会1999年度秋季総合分科会応用数学分科会特別講演. 44-56 (1999)
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[Publications] 今井浩、関根京子: "グラフのTutte多項式計算システム"京都大学数理解析研究所講究録. 1120. 120-129 (1999)
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[Publications] 石関隆幸、今井浩: "トーナメントグラフのトーリックイデアルのGrobner基底について"情報処理学会SIGAL. (1999)
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[Publications] 徳永裕己、今井浩: "量子計算機シミュレーションシステム"京都大学数理解析研究所講究録. 1120. 110-119 (1999)
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[Publications] H. Imai: "Computing the Invariant Polynomials of Graphs, Networks and Matroids"IEICE Trans. Information and Systems. E83-D,3(印刷中). (2000)
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[Publications] T. Asano, H. Imai, D. T. Lee, S. Nakano, T. Tokuyama, eds.: "Computing and Combinatorics"Soriger-Verlag. 494 (1999)
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[Publications] 浅野孝夫、今井浩: "計算とアルゴリズム"オーム社. 295 (2000)